草刈りをしながら見上げると、すでに栗のイガはぱっくり口を開けていた。




落ちた栗の実はほとんどケモノたちが食べたようで、




自分も少しくらいは手に入れたいとあたりを探す。









今年は栗が豊作だと誰かが言ってたが、そんなのは嘘だと呟きながら栗の実を探す。








わずかばかりの栗の実をポケットに詰め込み得した気持ちになる。








たったこれだけ?



そうこれだけ。



たくさんあれば嬉しい気持ちになるが、必要な量はほんの少しだけ。



そんなことにすら気づかない時がある。