「もう一度前半の部分を取り直ししますー」



ラジオの収録は携帯電話で話をするというかたちでおこなわれた。





半月前に打ち合わせの連絡があり、数日前に台本が送られて来た。



「こんな感じで適当に喋ってくださいー」





そして予定の時間より30分以上遅れて、突然かかった電話は



ゲストの方からのハイテンションな呼びかけだった。



“いきなり始まるんや・・・”





そしてたった10分ほどの番組だけど全国版のラジオ放送の収録が終わった。





丁寧に喋ってはくれるが番組制作のためのたんなる道具かと感じたのは



あの馴染めない東京の言葉のせい?





いや、きっと薄情で無責任で信用できないヤツらと



積み上がってきたメディアへの不信感だろう。