フキ、ゼンマイ、ワラビ、ヨモギ、



山菜摘みが好きな人は、それを採るのが趣味で



採っては知人と分かち合う。



「いつも○○で採るねんー」



嬉しそうに出かけて行く。



ところがそこに他人が山菜摘みに入ってくると



ひじょうに厄介な揉め事が発生する。



「ここは私のいつも採る場所やけど!」



「山に勝手に生えてるもんやから誰のモンでもないやん!」



「ここはウチの山やけど!」



「ちょっとぐらいかまへんやんか!」



無関係のものには、まるで子どものケンカだが、



時には警察沙汰にもなりかねない。



ほどほど採るならいいのだが、



山菜摘みが好きな人は見事に根こそぎ採って行く。



この季節の縄張り争いは、数年後まで糸を引く。





奪い合えば足りぬ、分かち合えば余る。



そんな立派な理屈は通用しない。