災難は突然おとずれる。
眠りに入りかけた矢先に火災発生の連絡が入った。
ほぼ条件反射のように活動服に着替え火災現場へ向かう。
出火に気付くのが遅かったのだろう。
炎はもう初期消火の域をはるかに越えていた。
真っ暗であるべき夜空を大きな炎が明るくする。
火災を大きくする風が時々まわりを真っ白に消す。
打つ手もなく隣の民家に燃え移る。
次々と到着する消防団員から連絡が入る。
「警察の車両が道に止めてあって進入できませんー」
またか、
「邪魔やからどけろ!」
興奮してボロクソに言う。
空がだんだん明るくなり投光器の光がわからなくなった頃
鎮圧状態になり、消火方法をピンポイントに切りかえる。
ガスボンベが引きちぎったように口を開けて横たわる。
あの爆発音の原因はこれだ。
最初の一発目の爆発音で近所の人が気付き119へ通報したらしい。
昨朝とはまったく違う環境に立ち尽くす住人。
災難は他人事ではない。
油断したわけでもなく、大きなミスをしたわけでもないのに
災難ってヤツは突然ふりかかる、それは厄介なヤツだ。