先日、学校評議員会の終わりに小学校の校長先生がこんな話を始めた。



「昨日高学年の女子児童から、校長先生に大事なお話があるのでお昼休みに校長室へ行っていいですか?」



そう言われて、いったい何の話だろうとドキドキしながらいろんな想像をしていたそうだ。



お昼休みになるとその女子児童だけでなく数名の児童が集めた署名を手に校長室へやって来た。



「校長先生、私たちは中学校へ行ったらテニスをクラブ活動としてやりたいんです」



しかし、中学校には現在テニス部がないので中学校の校長先生にお願いしてほしいと言う話だったらしい。



「中学校の校長先生が来る予定があるから直接お話したら」



そうして児童たちは中学校長にその願いを伝えたらしい。







現在の中学の校長は数年前にテニス部が廃部になった時に教頭先生をしており



その時は野球部、サッカー部、バレー部を残し



テニス部、剣道部、卓球部などの個人種目を削減する方針でそうなされた。



生徒の減少で教員数も減り、部活の顧問が足りなくなるからという事情があった。





現在はサッカー部の部員が2名、野球部が6名、バレー部が4名で



他校との合同チームで大会に出場している。



クラブ活動を今後どうするかを考えなければいけないのだが



他にも様々な課題や問題を抱えて、部活動のことまで手をつけられない状態だ。






子どもたちからも、小学校の校長先生から聞いた通りの話を聞いた。



“それで中学校長はどう返事をくれたの?”



子どもたちに問うと



自分たちが本当にそう願うのなら、自分たちでどうするべきか考えて頑張ってみるのが大事ですと言ってたそうだ。



“そうか・・・、”



教育的配慮の言葉だが、この子どもたちの願いは閉ざされた道だと確信している。



中学校のテニスコートは遙か昔に撤去され



それを望む人は中学校にも教育委員会にもいない。





人の夢と書いて『儚い』と読むが



まさに子どもたちは今、それに直面している。



たとえ夢が叶わなくても、努力する芽を摘まないように



クソ田舎の大人は頑張らなくてはいけない。