その立派な橋がかかって、もう10年以上たっただろう。



それまでも何年も要望し続けて、やっと橋はかかったが問題はそこからだった。



橋の上は広い道なのだが、そこからの旧道が車の対向も困難な狭い道路なので



拡張していくために土地の交渉に入ったら



先祖から引き継いだ田畑を売ったら恥だとか



道が広くなって通行量が増えたら嫌だとか



その人たちは自分勝手なことを言いはじめた。



それならば、新しく道を作ろうかと提案したら



今までの道路を利用していた旧村の人たちが



そんな新しい道ができたら、今の自分らの地区が寂れてしまうと反対運動をした。





結局、立派な橋はかかったが使う人は一部の人間で



反対していた人たちは亡くなっていったり、



そんな不便な場所だから人々はそこを出て行ってしまった。



なぜ反対したのだろう。



どうして、地域が衰退して行った原因が



自分勝手な人の考え方にあるとは気づかないのだろう。






この橋を通るたび、いつもアホな話やと思う。



よほどのことでない限り、反対ばかりでは



そんな夢も希望もない僻地では、最後には何もそこには残らない・・・。