「近づいたらアカン!」



そいつはかなり危険なヤツらしい。





世の中には見た目はふつうでも



奥底に毒をもつヤツがいる。



でも、あからさまに毒を持っているとわかるヤツには



けっして近づいてはいけない。



「それ、触っちゃダメ!」



山の案内人が叫んだ。



それは見るからに毒々しい連中だった。



ヤツの名は『カエンタケ』



そいつに触れたら皮膚がやられるらしい。



食べたらもちろん死ぬ。








なんのためにこの世に存在するのか知らないけれど



きっとそれなりの理由があるのだろう。





毒は恐怖と感じた時、害になる。