飲み会の後立ち寄った喫茶店は



飾り気なしの昭和レトロだった。



歩くとギシギシと音を立てる床



天井には裸電球がぶら下がり



壁は黄色く色あせている。



昭和だ。



こんな夜なのにけっこう客が座っている。



昭和の人たちばかりだ。



でも居心地は悪くない。



だって私も昭和の人間だから。




こんな駅前によくこんな店が残っているもんだ。



このタイムスリップしたような空間が



必要な人もたくさんいるんだろう。



店の名は『エリート』



噂には聞いていたが



とうとうたどり着いた。