日々短くなる太陽の存在なんておかまいないように、今日もすっかり空に星がともってから、私はいつもの渋滞に吸い込まれていった。
エアポート・ロードをノロリノロリと進んでいく。
ふと横を見ると、小型トラックの荷台に詰め込まれた人々の先頭に小柄なおばさんが座っていて、
ぬくっと顔を突き出したと思ったら、口を開けてペロペロっと嘔吐した。
そしてその後は、何も無かったかのように同じ姿勢のまま座り続けていたのだった。
ただそれだけのことなのだけれど、私は、あんなにも軽くペロリと吐いてしまう彼女がすごいなぁと感心していたのだ。
私なんて、胃が弱いくせに、いざ吐こうと思うとなかなか吐けず、吐く時はいつも体が逆エビ反りになって異の底からものすごい圧力で押し上げてこないとダメなのだ。
胃にだって相当の負担がかかっているはず。
だから姿勢ひとつ変えず、スープ皿をひっくりかえしたようにペロリと吐いてしまう彼女が、暇を持て余していた私の目のとまったのだった。