

毎日がクリスマスのようでキレイでしょ?
というのは嘘で、、、、、これは結婚式のためのライトアップ。
同じアパートの3階の家の娘さんが結婚するということで、2週間くらい前からこのライトアップ作業が進められていき、道路に面した壁面には屋上からはこのライトに覆われていくのです。
12月、1月はバングラデシュの短い貴重な冬にあたるため、みんなが暑い季節を避けて結婚ラッシュとなります。

飾り付けの作業中。
なぜ家を飾り立てるのか…
それは伝統的なバングラデシュの結婚式のプロセスのひとつだからです。
バングラデシュでは、お見合いにしても恋愛結婚にしても、両家の家族の了解をえたらまず婚約をします。
そして結婚式の2日前に、ガヤ・ホル(別名メヘンディ・ナイト)といって、花嫁の手にメヘンディで衣装を施し、体にはターメリックを塗ったりするのですが、このメヘンディ・ナイトは通常花嫁側の自宅で行われていて、そのためにこの写真のように家をライトアップするのです。
そして、ガヤ・ホルの2日後に結婚式があり、その後にレセプションパーティ。
結婚式とレセプションパーティの違いはよく分かりませんが、結婚式の方は花嫁側が全てアレンジして、レセプションんパーティは花婿側がアレンジするとのこと。(アレンジとはもちろん出資も含めて)
そんなわけで、こんな風にライトアップされた家やアパートを見かけると、その家の誰かが結婚するのだというのが一目で分かるわけです。

家の前だけではなくて、屋上から下までライトを垂らしていくものだから、我が家のバルコニーもこんな感じでその恩恵にあずかれるのです。
夜、外を見るとたくさんの小さなライトがキラキラと光っていて、なんだか本当にクリスマスのようで気持ちがあたたかくなります。
「あ~、このままずっとライトアップしていてほしいなぁ」
との願いもむなしく、今ではすっかり元の普通のアパートに戻っていますが…。

ガヤ・ホルは屋上で行われ、屋上へ続く階段もこんな封にライティングされてとってもきれい。

屋上からは周りの住民の迷惑なんて関係なく、夜中までガンガンに音楽が鳴り響きます。
実は2週間ほど前から、昼間毎日のように音楽がガンガンと流れていたらしく、どうやら若い女の子たちがダンスの練習をしていたとのこと。
(パーティのための練習だったのだろうか…?)
ガヤ・ホル当日…私は招待もされていないのに、部屋着姿でちょっと覗きに行ってみました。

ソファの中央に座っているのが花嫁。(小さくて見えないけど…)
この花嫁さん、エレベーターなどで何度か見かけたことがあったのだけれど、かなり気の強そうな上に体格もよく、他人事ながら旦那さんがちょっと心配。。。。。
まあ、よそ様の家の事情はフタを開けてみないと分からないし、そもそも本当の中身なんて誰にも見ることができないわけだけど。

これがメヘンディ(ヘナ)。
このメヘンディを剥がすと、濃いオレンジ色がこの模様のまま手に残ります。
メヘンディの色が濃ければ濃いほど、そして長く色が残るほど、花嫁は夫から愛される…と言われているそうです。
ちなみに、こっちのお見合いとはこんな感じらしい…。
両家でお見合いの話が出ると、まずは日時と場所を指定してショッピングに出かけるのだそうです。
カフェやレストランで軽く食事でも…というのではなく、ショッピングをするような普通のお店で若い男女は顔を合わせる。しかも親や親戚、又は紹介人同伴で。
そこで二人は少しの間会話をして、お互いに相手を見ます。お互いに気に入ればそのまま結婚へと話が進み、どちらか一方でも気に入らなかった場合は白紙に戻すという、まあその辺は日本のお見合いと同じです。
もちろんこんな風に息子や娘の拒否権もなく、親が決めた相手と当たり前のように結婚する人もいるようですが…。
最近では、ダッカではとくに恋愛結婚も増えてきていますが、それでもかつての日本のように、親の決めた相手なら…ということで子供の方にもまだまだ受け入れ態勢があるような気がします。
髪の薄い人はちょっと…とか、冬なのに汗タラタラ流している人はちょっと…とか、趣味が合わないとか、顔が嫌いとか……きっとそういうことはあまり考えないのでしょう。
それよりも、親同士が決めた相手であれば、生活のレベルも同じくらいだろうし、どこの誰とも分からない人と一緒になるよりもリスクが少ない…そして親が選んだ相手ということは親も納得の上なので、結婚後の関係もスムーズに進むというわけです。
今でも、相手がどんな人であるかに関わらず、自分の娘が恋愛結婚をするということに対して抵抗感を持っている親は結構いるようで、私の知り合いにも「彼女の両親が許してくれない」とか、「彼女と駆け落ちして結婚して、今でもまだ彼女の両親からは受け入れてもらっていない」という人がいます。
バングラデシュも日本同様に、結婚は家と家との結婚なので、やはり両家の合意というのはとても大切にされているのです。
これはやはり西欧にはないアジア独特の文化・風習なのでしょう。
家族や文化、風習を重んじることはしばしば保守的と解釈されることもあって、この“保守的”という言葉の響きは現代社会においてはマイナスなイメージを連想させますが、でもまあ、それが一概に悪いこととも言い切れないように思います。
西欧のような個人主義も、アジアのような家族主義もそれぞれ一長一短あって、私としてはどちらかの価値観にしばられるのではなくて、うまいことバランスをとっていければなぁ…と思います。