北朝鮮ではプリンターやコピー機は厳しく管理されている。企業、団体、学校では、どんなに小さな印刷でも数段階の承認が必要だ。南京錠のかかったコピー機も珍しくない。小型プリンターの個人所有は認められていない。違法な無許可印刷は、政治犯収容所への投獄、あるいは処刑によって罰せられる重罪である。

 北朝鮮でプリンターやコピー機の使用が厳しく管理されている主な理由は、情報統制と検閲を実施するためである。北朝鮮は、国民が政府に批判的なコンテンツや外部からの情報にアクセスできないよう、情報の流れを厳しく統制している。こうした統制は、金正恩の権力維持に不可欠である。

 プリンターやコピー機は、文書や情報を簡単に複製し、広めることができるため、政府はこれらを管理することで、反政府的な資料や禁止されている情報が国民に届くのを防ぎたいのだ。

プリンターやコピー機の私有を禁止し、機関用プリンターの使用には何段階もの認可を必要とする。 また、無許可で印刷を行った者には重い罰則を課している。

北朝鮮がこのような措置をとるのは、国民に警告を発し、労働党の指示と政策に従わせるためである。こうした措置は国家の安全保障と安定という名目で正当化されているが、実際には個人の自由と権利を著しく制限している。