アルバム「Magical Mystery Tour」は、サウンドプロダクションの巧みさ、メロディの豊かさ、コードワークの多彩さ、歌詞の奥深さなど、どこを取ってもビートルズの楽曲の最上位に位置する高品質な曲が多く納められた極めてアーティックなアルバムである。
もっと率直に本音を言わせて貰えば、史上最強のロックアルバムと呼ばれるところの前作に収録されている曲よりもずっと素晴らしい曲が何曲も何曲も収録されているアルバムだと思っている。にもかかわらず、このアルバムが不世出の「ロックの名盤」という評価を得ているという話は全くもって聴いたこともない。
何故か?
答えは、シンプルかつ実に身もフタもないような話であった。
現在、我々がビートルズのオリジナル・アルバム第9作として認識している「Magical Mystery Tour」だが、こんなアルバムは当時なかったのである。正確に言うと、今回我々が全曲演奏するアルバム「Magical Mystery Tour」は本国イギリスでは発売されず、ビートルズの意志とは無関係にアメリカのキャピトル・レコードが独自に編集したコンピレーション・アルバムだったのである。つまりは、前作サージェントに収まりきらなかった余りものとその名も「マジカル・ミステリー・ツアー」というビートルズ製作の実験的テレビ映画(筋らしい筋もなく映画としては酷評されたが、ミュージック・ビデオの先駆けとしての評価は高い)のサントラ盤を組み合わせて、一枚のフルアルバム風に仕立てたもの、というのが実情であった。それゆえ、こんなにも素晴らしいアルバムにも関わらず、イギリス本国の人たちがこのアルバムをこの曲順で本国盤(アメリカから輸入盤としては手に入った)として手にするのはビートルズが解散してからのことになる。
このように間違いなく寄せ集めの作品集であるにもかかわらず、これだけアルバムとしての統一感と完成度を誇るマジカル・ミステリー・ツアーはまさにこの時期のビートルズが時代の空気と共にあり、レコーディング・アーティストとして最高の状態にあったことを物語る。様々なジャンルの音楽を貪欲に吸収して、ビートルズらしさを育んできたビートルズの「ビートルズ」としか形容しようのない音楽は、前作のような「コンセプト」を外してもなお浮かび上がってくる特有のカラーを持つ本作でこそより鮮明に感じられる。
Mystery Tourとは行き先を告げずに向かう旅のこと。1960年代の人々にとって、ビートルズとは、彼らに付いて行きさえすればきっと素敵な場所に連れて行ってくれるような気がする、まさに魔法使いか何かのような存在であったろう。
アルバム「Magical Mystery Tour」は、人々のそんな夢のような期待にビートルズが応えてくれた最後の作品であったように思える。
もっと率直に本音を言わせて貰えば、史上最強のロックアルバムと呼ばれるところの前作に収録されている曲よりもずっと素晴らしい曲が何曲も何曲も収録されているアルバムだと思っている。にもかかわらず、このアルバムが不世出の「ロックの名盤」という評価を得ているという話は全くもって聴いたこともない。
何故か?
答えは、シンプルかつ実に身もフタもないような話であった。
現在、我々がビートルズのオリジナル・アルバム第9作として認識している「Magical Mystery Tour」だが、こんなアルバムは当時なかったのである。正確に言うと、今回我々が全曲演奏するアルバム「Magical Mystery Tour」は本国イギリスでは発売されず、ビートルズの意志とは無関係にアメリカのキャピトル・レコードが独自に編集したコンピレーション・アルバムだったのである。つまりは、前作サージェントに収まりきらなかった余りものとその名も「マジカル・ミステリー・ツアー」というビートルズ製作の実験的テレビ映画(筋らしい筋もなく映画としては酷評されたが、ミュージック・ビデオの先駆けとしての評価は高い)のサントラ盤を組み合わせて、一枚のフルアルバム風に仕立てたもの、というのが実情であった。それゆえ、こんなにも素晴らしいアルバムにも関わらず、イギリス本国の人たちがこのアルバムをこの曲順で本国盤(アメリカから輸入盤としては手に入った)として手にするのはビートルズが解散してからのことになる。
このように間違いなく寄せ集めの作品集であるにもかかわらず、これだけアルバムとしての統一感と完成度を誇るマジカル・ミステリー・ツアーはまさにこの時期のビートルズが時代の空気と共にあり、レコーディング・アーティストとして最高の状態にあったことを物語る。様々なジャンルの音楽を貪欲に吸収して、ビートルズらしさを育んできたビートルズの「ビートルズ」としか形容しようのない音楽は、前作のような「コンセプト」を外してもなお浮かび上がってくる特有のカラーを持つ本作でこそより鮮明に感じられる。
Mystery Tourとは行き先を告げずに向かう旅のこと。1960年代の人々にとって、ビートルズとは、彼らに付いて行きさえすればきっと素敵な場所に連れて行ってくれるような気がする、まさに魔法使いか何かのような存在であったろう。
アルバム「Magical Mystery Tour」は、人々のそんな夢のような期待にビートルズが応えてくれた最後の作品であったように思える。