三次面接。同じメンツのイギリス人ディレクター女性二人でした。


あなたは最終選考に残った二人でね。


そうなんですか。


今日は、最終選考なの。だから頑張ってね。


最初に何故か励まされる面接ってのも初めてです。当然、録画されているから、他の人達との選考に使われるのかな。


カナダのエミには沢山話したみたいね〜。どう思った?彼女のこと。


受かるためには、当然のこと、


素晴らしい方です、充実した時間でした。


実はね、私達は貴方のことがとても気に入っているの。でも、決めきれない部分がある。貴方の考えや、貴方のキャリアについて一次面接でも聞いたけどもう一度聞かせて。


前日、旦那さんから言われたこと。


恐らく最終で落とされる可能性もあるけど、それはカナダの日本人の人がママのことネガティヴフィードバック入れてるからだよね。だとしたら、恐らくその人の意見か、イギリスの人の意見か、で、中で割れてるのかもね。ママらしく、思ったこと話してくれば良いよ。


旦那さんの予想は当たってるのかも。


◯コンテンツは日本語訳にしなくて良い。

◯最終的には、金融リテラシー教育に持って行くが、、トリガーとしては、、まずは英語のクラスのコンテンツとして売り込み、英語の時程に組み込んで貰えば学校も受け入れてくれるかも知れない。新たにこのプログラムのために高校生の時間をもらう事は無理だと思う。

◯コンテンツを訳さないということで、世界中の高一と同じコンテンツで金融リテラシーを英語で学ばせる、と言う切り口ならば保護者も学校も興味を持つ。内容は難しいはずだから、補強教材として日本語訳を渡せば良い。


イギリス人ディレクター達は、私の話に、


Very different and interesting.


と言いながらも、既に日本語訳をほぼ終えているし、やはり英語では無くて金融リテラシーを教えたいから、どうなのかしら、と、返してくれた。


私は、何も経験が無いけど、そもそも金融リテラシーという概念がまだ文化的に浸透していない中で外国の概念で作られたものを日本語に訳した所で、しっくり来ない気がする、、と、思っていたけどそこまでは流石に言えなかった。


I really like your confident.  

Now you have to tell me the reason why do I have to hire you for this job?


イギリス人ディレクターは、最後の最後でもっと自分を売り込んで、と言って来た。


I can promise you will enjoy working with me everyone I worked with just loved me really.  I never left the job with negative impressions.


最後に、凄く驚くわよ、と言って日本のスポンサーの名前を教えてくれた。それは、私がかつて働いていた会社だった。


マジ、鳥肌ものっ!


と言うと彼女達は大爆笑。縁と言うものはこう言うものなのかな、と、思った。


もーさ、受かっても落ちても、日本に来たら案内するから連絡して。


分かった、貴方もロンドンに来る時は案内するから連絡してね。


この後、私は結局、最終選考で落ちることになる。スポンサー名まで教えてくれたから、イギリスの人達はかなり私のことは気に入ってくれたけど、私の提案は恐らくカナダの日本人の人には受け入れられないし、何より彼女の言う通りに動く人ではない、と思われて、落とされたのかな。


そして、つい先週、このイギリスの会社を繋げてくれたエージェントさんからメールが来た。


お元気ですか?実は、あの後、入社された方が辞められるので、今回、はなさんがまだこの仕事に興味があるか聞いて欲しい、とのことなので連絡させて貰いました。


私が負けて選ばれたその人は、3ヶ月もしないで辞めちゃったんだ。


とりあえず、一回、またイギリス人ディレクター達と話してみたいと思ったから、仕事を受けます、とは言わず、


面接を受け直したいです。と返信した。指定した日時の最短でミーティングのリクエストが来た。前に面接を受けていた頃より慣れた場所。リラックスしてランチに通っているビーガン料理のお店で、ウォッカトニックと、レンコンチップスを注文してしてから、面接に臨んだ。


なんかあの頃より、私はふてぶてしい。


繋がった向こうには3ヶ月ぶりの彼女達が居た。


続きます。