息子がお腹に来てくれたのはそれから一年以内だったと思います。


四か月、安定期に入る前に、子宮内の超音波写真を見ながら先生が言いました。


この横の白い線、見える?


例えれば、土砂崩れの前触れみたいで、ここを亀裂にして、ドサっと雪崩みたいに、そこから下の子宮内が落ちる可能性がある。流産の前触れだね。おかしかったら安静にして。


ある日、会社で出血したので、そのまま病院に向かいました。安静入院になります。


ウランちゃんの時は、やはり仕事が面白くて仕方が無い時でした。動きすぎてたのかも知れません。でも、今回は、絶対に赤ちゃん優先にする、と、決めていました。


安定期に入ると赤ちゃんが充分大きくなるので、雪崩的な流産のリスクは収まります。が、次は早く産まれて来てしまう、かも、と言われる様になりました。私は体質的に、と言うか体型がお産に向いてないのかも知れません。でも、絶対に今回は早産もしない。この子には会うんだ、と、強い気持ちが湧いて来ました。それが,もしかして私が始めて持った母性の様なものだったのかも知れません。


息子の高校の説明会では、活発な運動部が沢山、紹介されてました。校庭も広いし、体育館が三階建て。わー、好きそうだな。テスト前なので、私が一人で来たのですが、もう、大体、彼の好みはわかってます。銀杏並木の美しい外門を出て、振り向くと、思い切り青春して通学する息子の姿が浮かびました。


束の間の安定期の後、また、お腹が張って早産気味で入院となり、そのまま退職を決めます。あの時、潔く退職を決めなかったら、息子は元気に産まれて来てくれなかったかな。その彼が高校受験をする事になり、入試説明会の帰りに、ウランちゃんを弔ったお寺を通りかかる。


神様が、


ここにも、もう一人応援している家族が居たじゃない、と、教えてくれた様な気持ちになりました。思いは一気にあの頃にトリップし、


とにかく、元気で産まれて来てくれて良かった。

ここまで辿り着いた、親としての達成感を味わなくちゃ、初心に戻りなさい、と、言われている様な気がしました。



ビールまで飲んで、どうみてもオヤジ🤣 一人で、緊張続きの今月のお疲れ様と、また、頑張ろう、をしみじみと。。


ふと、成田さんの番組の話

などに思いを巡らせます。


人は経験から学ぶと言う唯一の動物。

死生観も然り。


赤ちゃんの喪失を、振り返ることさえ出来なかった私は、次は、まだ数ミリしか無い生命体の始まりの喪失を弔い、そして、次に来た危機の際は,自分のキャリアのことは全く構わず、全力で守った。


だから、息子との縁が、今ある。ウランちゃんにお参りし続けているのも、子供達が元気に過ごしているのも、彼女が私に何かを学ばせてくれた結果、と言う御礼の気持ちなのかも知れない。


酔っ払ってお蕎麦屋さんを出ると本堂では読経が行われていて、沢山の人達が祈っていました、



死生観には、宗教の存在が大きく影響します。種の保存プロセスの中でのバトンタッチの繋ぎ目としか、意味付けられていなかった、生と死に、人は何かしらを感じ,思い、それを具象化したくなる、そんな人類としての発達が宗教の始まりだったのかな、なんて思いながら、おみくじを引きました。


油断するな、基礎に戻って精進すれば、

勝利は見える。


マジかびっくり このおみくじ、凄くね? 

正に今の息子君にドンピシャひらめき


帰って、息子合格お守りを渡しながら、


ウランちゃんからだよ〜、お姉ちゃんも、しっかりやれって言ってるよっ。


なんでお姉ちゃんなのっ。


ママの代わりにビシっと言ってくれる姉のイメージ。→勝手。


今週から定期テストが始まります。ウッカリ寝落ち常習犯の息子君の番、よろしくね、ウランちゃん指差し