職場でスタッフ紹介の写真を作るから写真を出しなさい、と、言われて、のらり、くらり、と逃げていたら、


今月中に撮らないとダメ❗️


と帰り際に、ユニフォームに着替えさせられて有無を言わさず写真を撮らされた。相当嫌だったけど、


他の支店の人達はみんな出してるのにこの支店は提出率が悪い、と、ジョニーが怒られているから、と、説得された。


絶対に、店頭に貼るのはしょうがないとして、ウェブには載りたくないからっ。と、念を押して、その時、相当強い口調で言った。


I will be very furious if you put me on the web even by mistake.


Furious と言う表現はとても厳しい。絶対許さない、と言う口語表現かな。アングリーとかとは一線を画す。私は、何故か、そう言うキツい言い方の英語の語彙が豊富。どしてかな、そーだ。そう言う人の下で働いて居たから。


新卒二年目でイギリス人上司だったアレックスは、、とにかく意地悪で怖かった。でも、凄くスジが通って居て、学ぶ所も沢山あった。



私の仕事は海外の機関投資家からの株の注文を取るのも含まれる。ある日、私が取った注文の売り買いが逆だった。当然、逆の、売買をして、その時についていたであろう値段の約定を渡さなくてはいけない。運が良ければ儲かるけど、大体そう言う時は損を出す。忘れたけど、百万は行かずとも、そこそこの損失だった。ナカジは、


オマエ、流石だな、やらかす時も額がデカい。


アレックスに呼び出された。


君が、間違えたんだよね。


多分。だって英語だし、私はちゃんと繰り返したけど、今となっては覚えて無いし、すみませんでした。


突然、アレックスが、超怒り出した。


注文を取る時、そんな自信がない奴は僕の下では働けない。今回、君は初めてだから許すけど、自分で間違えたかどうか、分からない、なんて二度と言うな。


証券会社だから、取引の記録は録音されている。録音を聞けば私が間違っていたかは分かる。が、当時はまだそこまで技術がない時代で、その部分の録音を探すのに3時間くらい色んな電話を手当たり次第聞いて探さなくてはいけなかった。


そんな大変な事をITの人に頼めないし、もう、私の間違いで良いです。


はなは、自分が正しい、と、証明しないのか。


いや、したいけど。


僕がやる。アレックスは、ITの人を呼び出して該当の録音を2時間近くかけて見つけて来た。


はな、多分見つけたから一緒に聞こう。


ドキドキしながら、一緒に聞いた。間違えていたのはお客さんだった。アレックスの重要顧客の一人。


電話して、はなが間違えて無かったから、これはお客さんに払って貰う。


え、そーなの、アレックス、切られるかもよ。


いや、そんな事で彼は僕のことを切れないよ、僕のアドバイスなしで彼は投資出来ないんだから。


電話する時、一緒に聞きなさい、と、電話に入る様に言われた。


この前の注文、間違っていたのは、君だろう。僕のアシスタントが間違える訳が無いと思って録音を聞いたんだよ。損失金額は、君のアカウントにつけさせて貰うよ。


お客さんは、至ってリラックスして、


え、そうだったの、すまない、彼女に謝らせてくれ。


彼女はこの電話にいるから、直接話せるよ。


そのお客さんは丁寧に、そんなつもりは無かったけど申し訳無かった、と、丁寧に謝ってくれた。


アレックスは、その後マーケットの小話や家族の話題をして、ご機嫌を取り、こう締め括った。


If you do that to her again I will be very furious because she is my very important staff.


と、サラッと言った。相当強い表現に驚いたお客さんは、


もしかして、彼女は愛人?


と、からかって来たけど、アレックスは上手く返してた。→イギリス人ジョークですね。


その時、furious ってのは、こう言う時に使うのか、と、とても印象が残った。


アレックス、ありがとう。


お客さんは、自分の間違いを証券会社に押し付けるのは当たり前。君はそれに屈してはいけないんだよ。注文を取る時は、100%自信を持て。間違えただろう、、と言われても、その場で、いや、間違えたのはオマエだろう、と、言い返せるくらいに、分かったか。


はいっ。


いつもいつも、怒られてばかりで、大嫌いだったから、今から考えると、アレックスは物凄いことを教えてくれて居たのに、私は、


アレックスのせいで、めちゃくちゃ残業させられた、と思ったのを覚えている。若いって、ダメね〜。


ふと、ジョニーに話す時に出て来た言葉から、その時のアレックスとのことが見事に蘇った。人の記憶っていうのは本当に面白い。


でと、、、ジョニーに私がどれだけ写真を載せられるのが嫌なのか伝わったか、、また、次のシフトの時に確認しなくちゃな。最後まで、


いや、トップページにアップで、とか、言い返して来たからっムキー