あの事も、書いてみれば〜、と言われたので、、
この年の夏、長年のブランクを経て社会復帰した仕事は、フランスに本社がある、ITコンサル関連の会社の日本支社。と言っても、所長さん含め、オフィスに在中してたのは、四人くらい。後は、お客さん先常駐。
当時の私は週二で五時間とか、そう言う条件で仕事を探していたのですが、そんな職場がある訳も無いしな、と、思っていたら、渋谷にあるマザーズハローワークと言う社会復帰するお母さん達を助ける公的職業紹介所を通して、そこで雇われる事になりました。
が、まだまだ、やる気なんか無いっ。面接の日時の時に酷い生理の時で、具合が悪く、本当にドタキャンしようと思っていたのですが、親身になって探して下さる担当者さんに申し訳無いので、這う様な思いで面接に行きました。
小さなオフィスの呼び鈴を鳴らしたら、出て来たのが、私に仕事を教える予定の日本人の方。
阿部寛ちゃんです。当時で、33歳?身長も、185くらいあって、何なら、阿部ちゃんよりカッコ良い。
頑張って、来た甲斐があった、と、思いました。が、しかし、面接の用意も全く無くて、志望動機なんて、聞かれるなんて思って無いのに、阿部ちゃんは至って真面目に聞いて来ます。
えっと、すみません、そこまでのお仕事のつもりの心構えでは、無かったので、志望動機って、正直、考えてませんでした。
→ 私は、前職が人事だったから、素直さが一番と瞬時に判断。
何故か、阿部ちゃんのドストライクだったらしく、
→後に、理由が分かります。
ちょっと待ってて下さい、と、、
どこかに行った後、
後で確定したら、改めて、お電話しますが、
いつから来れますか?
えっ、あの、すみません、、後、八月にカナダに子供達を留学で連れていく予定なので、その月はどんなに頑張っても、五日も来れません。
→もー、何しに来たんだ、って感じですが、
あ、八月は本社もバカンスに入るので、
大丈夫だと思いますよ。
嘘だろー。
で、ここからが凄い。
翌週からいきなり始まった職場。
全員が若いイケメン君たちで、
席順に行くと、お向かいが、阿部ちゃん。
その隣が、デンゼル ワシントン
で、その隣が、アラン ドロン
で、私の隣が、オーランド ブルーム
所長さんだけ、普通のメガネのベトナム系のおじさん。画像検索したけど、似た感じの人見つけられませんでした。要は一般人なので
旦那さんに、話します。
なんか若いイケメンしか居なくて、居心地が悪い。しかも女性、私一人なんだけど。
でも、そのベトナム系のおじさんは、普通なんでしょ。きっとそのおじさんが、顔で雇ってるんだね。コンサル系だから、見た目大事だよね。そんな職場に、若い女の独身の人とかだと、トラブルになるから、ママなんじゃ無い?
なるほどっ。
その職場には、結局、8ヶ月くらい居ましたが、
阿部ちゃんのキャラも凄かった。
なんか、今日はお疲れですね。
昨日、カッパ釣りに行ってて、徹夜して。
はっ?
変ですよね、YouTubeやってて、カッパが本当に釣れるかって企画で。良かったらリンク送ります。
あ、そ、そーですね、
じゃあ、後でお願いしますっ。
カッパ、まさか、キュウリで、釣るんですか?
そうなんですよ、バカみたいですよね、でも、カッパ伝説がある池で一晩、粘りました。
色んな意味で刺激的。阿部ちゃんが、そこそこの歳まで独身でいらっしゃるのが、何となく分かった様な。YouTubeのリンクは、もちろん貰ってません。
はなさんとは、なんか、仕事がやり易いです。ホワっとしてて。ここ一応外資系だから、応募が結構来るんですけど、日本人の女性で、僕、中々合う人が居なくて。→彼が人事権を持ってます。パートさんの。
だろーなっ。
評価されてんだか、何だか、微妙な気持ちになりました。だから、あんな面接で、合格出したんだ〜。
ちょいちょい、飲み会があり、私を誘わないと申し訳無い、と、思ってくれたのか、お声が掛かります。
すみません、子供が小さいから、夜は出れません。
思い返せば、このイケメン軍団に囲まれてお酒飲める機会だったのよね。
オーランドブルームがフランスから東京に移転して来る時は、阿部ちゃんと、私と、オーランドブルームで、渋谷のニトリで生活用品一式をお買い物しました。これまた、超絶不思議体験。
オーランドブルーム、イケメンなのに、センス無さすぎて、どうしようも無い雑貨を選ぶ。見かねて、
こっちも良さそうだねっ。
と、声を掛けたら、彼のお部屋のインテリアコーディネート、全部、私がする事に。もーね、すいませんねぇ、私なんか、が。
凄い、はなさん、カッコ良いお部屋にしてくれてありがとうっ。家が整ったらパーティーするから、絶対に来て❗️
えー、ありがとうっ。
→行く訳が無いっ。色んな意味で。
アランドロンは、ゲームが大好きで、ずーっとスマッシュブラザーズの話ばかりしてました。もちろん、分かるよ、が、、、息子は、二年前に卒業して、普通は、フォトナじゃん?
デンゼルワシントンは、何故か真夏でもタートルネックで、鼻の下までタートルネックを伸ばしては、それがずり下がります。斜め前だから、気になるっ。
阿部ちゃんも、指をずーっとポキポキやるし。
やはり同類の人が居ないってこんなに辛いんだ、主婦話を日本語でしたいよ、と、寂しさが募り、キリの良い三月末で辞めました。フランス語ってのがあまり合わなかったのもあります。
その時は、一杯一杯で、自分がどんなに恵まれた職場だったのか、なんて思いにも寄りません。半年前くらいに、久しぶりに会った大昔の職場の先輩に、
はなちゃん、職場復帰したのっていつ頃、どんな仕事?とか、言われたので、
そー言えば、と、思い出した次第。
整理したら、結論として、
夢の職場
だったんですねー。
どーして、そんな所辞めちゃったのぉ。私だったら絶対、絶対、辞めないっ。
まー、確かに。でもっ、イケメンって飽きますよ、普通に。
えー、でも、ブサイクよりは良くない、勿体無いっ。
まー、確かに。
未だに旦那さんに言われます。
職場で、写真撮ってくれば良かったのに。
そーだよね、じゃ無いと、
盛ってるとしか思われない。
でも、未だに、阿部ちゃんが真顔で、キュウリでカッパ釣りを徹夜で粘った話は、凍ったなぁって、思い出します。
みんな、どうしてるのかなぁ。