毎日が精一杯で、大切な人が大変な時に、寄り添えないことがある。


先日、トム ハンクス 主演のキャスト アウェイを家族で見た。心に残ったセリフがある。


大変な時に、側に居なくて申し訳無かった。


トムさんが、五年?近くに及ぶ死闘の末、無人島から奇跡的に帰還する。待っていた友人の妻はその間に病で他界していた。で、その友人にその話をした際にかける言葉。


自分は、絶望の果てを彷徨っていた訳で。なのに、その間に起きた友人の悲劇に寄り添えなかったことを詫びる。凄いな。この流れ、考えたの誰?相当、筋金入りのクリスチャンの方かな。


似たような記憶が蘇る。義母が昨年、膵臓癌末期を宣告された際に真っ先に連絡を取った友人。二年前に全く同じ病気でお父様を亡くされていた。すがるように電話して話を聞いてもらう。後半、私は連絡する気力さえ無かった。彼女から、時々LINEが来る。どう? 大丈夫?思い出した様に電話する。次は恐らくこうなる、子供達にはこんな風に話す、彼女のアドバイスは的確で、優しくて、頼りになった。


ある日、ホスピスに入ることが決まったことを報告するのに電話した。


後、どのくらいかな。家族で付き添うシフト組むんだよね。


そーねー、こればっかりは分からないよ、意外と1ヶ月持ったりする人もいるって。長丁場になると、はなちゃん家も疲れるからね、あんまり最初から飛ばさない様に。


そっか。こうなって来るとずっと側に居たいけど、1ヶ月シフトはみんな死ぬわ当時真夏、片道3時間のホスピス。


ふと、彼女の気持ちになった。


何かさ、二年前、こんな気持ちだったんだね。ごめんね、私、なんか大変そうだなーーってボンヤリしてたら亡くなられてしまったよね。あの時、今みたいに電話とかしなくてごめん。


お母さんがホスピスに入った事に安堵したのと、もう、いつ亡くなってもおかしくない、と言う覚悟と、彼女への感謝の気持ちが、急に湧いて来て、電話口で泣いてしまった。


ううん、良いの。私も何が何だか分からないうちに終わってね、今、はなちゃんがこうして、色々頑張ってるの遠くから見ててさ、上手く言えないけど、振り返ったり、思い出したりしてるの、母と。


彼女も泣いていた。


ありがとう。


お母さんは、その電話をした日の夜に容体が急変して亡くなった。翌朝、彼女に短くラインした。


昨日は電話でありがとう、、昨晩あの電話の後亡くなりました。電話で話せて、覚悟が出来た直後だったよ。


大切な時に寄り添ってくれた。私は出来なかったけど。次、誰かがそうなる時は、私もその覚悟にしっかり付き合ってあげれば、と、思う。


自分がどんなに大変な時でも。無人島で、孤独にサバイバルしてるよりは、遥かに楽なはず。