「それにしても、こういうとき日本人って冷たいですよね。」
「そうだねー」

駅前なのに、週末の夜なのに。
車の故障ならわたしなんかより男の人が声をかければいいのに。
ここが欧米なら、そこらじゅうの人がわいわい集まって「どうしたどうした?」「みんなで動かすか?」みたいな展開になるんじゃないの?


 わたしは何年か前、通勤中に痴漢にあったことがある。
 そのとき車内で声をあげたけど、誰も助けてくれなかった。
 駅に着きドアが開くと、痴漢は猛ダッシュで逃げた。
 最後尾に乗っていたので車掌に訴えたが何もしてくれなかった。
 走って追いかけたけど、逆にホームにいる何も知らないおじさんに「あぶねーな!」と怒鳴られた。
 最低だ。


そんなことを思い出しつつ、修理屋さんが来るまで、おっちゃんと他愛もない会話を続けた。
こういう時の待ち時間は長く感じるだろうし、何かあったとき人手がいるだろうから、とりあえず会話を続けた。
15分くらい経ってからだろうか、修理屋さんが到着した。
何かをバッテリーに繋げると、エンジンがかかった。

「おねーちゃん、ありがとな。ほんと助かったよ。」
「いえ、たいしたことじゃありませんから。」
「何かお礼しなきゃな」
「いいですよ、ほんと。じゃ、お気をつけて」

家に帰ってテレビをつけると、ちょうとパフュームが出ていた。
あー、間に合って良かった。
オールおk!



スルーしていったチキン野郎以外は。