先日画面を見ずにナレーションだけたまたま聞いてた某国バラエティー番組を息抜きに蓮キョでやってみました!!


飽くまで聞いただけの内容からの妄想なので、ツッコミは無しでお願いしま~す(;^_^A




そしてついでのご報告♪
アメンバー様が400名を突破しましたので、記念SSとさせて頂きますね。
(うちの作品たちはオールフリーです♪)



それでは↓からどうぞ♪











『さぁ、今週もやって参りました!!
芸能人仮想結婚生活バラエティー《結婚、しちゃいました!!》』



バラエティー番組をたまのオフにケータリングのピザを摘まみながら観ていた尚は、初めて観るその番組を興味津々に眺めていた。



『この番組をご覧になった事のない皆様に、改めて当番組のルールをご説明致しましょう!!
ルールは簡単、芸能界に数多いる若い独身男女をくじ引きでカップリング、仮想新婚生活を1週間送って貰い、結婚生活の良さと大変さをリアルに体験して頂きます!!
どんな組み合わせになるかは運次第、笑いあり涙あり、スターの素顔も垣間見えるドタバタな1週間を楽しんで頂こうという企画です!!』



アシスタントの若いタレントだろうか、先週の話を話題に乗せて笑いを取っていた。



『先週はお笑い芸人さんと、若手の実力派と名高い美人女優さんの組み合わせでしたが、料理の腕がお二人とも残念な方で…』



『悶絶してたよね、お互いの料理に。
でも今回はそれは無さそうだよ?
…それでは仮想新婚生活を送って頂きましたお二人に登場していただきましょう!!
俳優の敦賀 蓮さんと、タレントの京子さんです!!』



司会者の紹介に、尚は口にしていた飲み物を液晶テレビの大画面に向かって吹いていた。



ゲホゲホとむせながら同居している祥子に怒られると慌てて画面の水滴を液晶画面用のウェットティッシュで拭き取りながら、尚は食い入る様に番組に見入った。



尚が座り直した時には、既にとあるマンションの一室のあちこちにカメラを設置したらしい仮想新婚生活の住居が映し出され、京子と蓮が入って来るところが始まっていた。



『…先ずは呼び方だね。
1週間だけだけどお互いは必ず名前呼びしようね。
よろしく、京子。
俺の事はちゃんと名前で呼んでね。』



『…あ、あのぉ…、せめてさん付けくらいはしても良いですよね?
れ、蓮…さん。
ふ、不束者(ふつつかもの)ですがよろしくお願いいたします。』



リビングに入ってそんな会話を始めた二人の映像と京子の対応と綺麗な正座と三つ指着いての一礼に、スタジオ内の観客から溜め息が漏れた。



『京子ちゃん、今時見ない古風な挨拶だね~。
敦賀さん、意外だったみたいで表情無くしてますが、この時の心境は?』



司会が蓮に話を振ると、何とも表現に困るといったような仕種で蓮が苦笑いしていた。



『京子ちゃんが礼儀正しくて所作が綺麗な子だっていうのは前から知ってはいたんですけどね、…同じ事務所の先輩後輩ですから。
  でもこういう形でああいう挨拶されたインパクト強くて…固まっちゃいましたね。』



照れ臭そうに言う蓮に、司会者も確かにと頷き返す。



『京子ちゃんの礼儀正しさも所作の綺麗さも業界内じゃ有名ですからね~。
  それじゃあ続きを観ていきましょうか。』



付け加えると常日頃多忙なスケジュールをこなしている二人だが、この1週間だけは朝早くとも9時、遅くとも夜は6時に外の仕事から解放されるように事務所が調整したと司会者からの説明もあり、観客も早く続きを観たいオーラが溢れだしていた。



『さて…と、先ずは何をすれば良いのかな。』



『つ…れ、蓮さん、スタッフさんに何か封筒渡されてましたよね?
中身何だか確かめてみませんか!?』



京子の指摘にそうだったねと持っていた封筒を開けた蓮は、中に入っていた手紙と現金をリビングのテーブルに広げた。



『〈この現金で1週間過ごしてください〉…だって。』



困惑しきっている蓮を後目に、京子はドンと胸を叩いて見せた。



『お任せ下さい!!
要はこのお金で2人で生活すればいい訳ですから、全く問題ありません!!
敦賀さん…れ、蓮さんはいつも通りお仕事なさっていて下さい、内向きの事は全て私がやりますから。』



『………何かどこまでも古風だねぇ。
ホントに京子ちゃん十代?
タイムスリップした人みたいだよ。』



壮年の司会者にツッコまれ、どう対応したらいいのか困惑していた京子に、蓮は褒められてると思っていいんじゃないかなと頭を撫でてフォローする姿は、その場を目撃した者達にはとてもただの事務所の先輩後輩だけには見えなかった。



『あ、あのぉ…皆さんご承知の通り、敦賀さんは根本的にセレブな方なんです。
ですからあの封筒の中に入っていた現金を遣り繰りして生活するという概念がないと言いますか…とにかく庶民の生活とは無縁な生活を送っておいでと、事務所内でも有名な方です。
そこで根っからの庶民である私が、家の中の事を担当するのが当然であると判断しまして、あのような発言に繋がったとご理解頂きたいんです!!』



京子の発言に、スタジオにいた蓮を除く全員が「あ~。」と納得の声を上げたのは言うまでも無い事であった。


「本日は皆様、お忙しい中お越し頂きありがとうございます。
料理はお気に召して頂けましたでしょうか?
私の拙い料理でもご満足頂けたなら幸いなのですが…。」



所々染みが付いたコックコートを身につけた京子が、スポットライトの中に居心地が悪そうに佇んでいた。


だがそれより何より、京子が発した言葉がその場に招かれた守護者達の驚愕を呼んだ。



《この抜群に美味い料理、京子さんの手作り!?
料理上手って本当だったんだ!!》



驚愕のあまり絶句していた守護者達の反応に、京子はシュンと萎れていた。



「…お口に合わなかったみたいですね。
すぐに何か別の物を用意しますので少しお待ち下さいね。」



そんな京子の様子に弾かれる様に拍手が巻き起こった。



「素晴らしかったです、京子さん!!」



「噂が本当だったのでびっくりしていたんです!!」



「とっても美味しかったですよ!!
  不満なんかありません!!ある訳がないですよ!!」



口々に京子の料理を褒め称えるファン達に、京子の緊張も解けたのか花開く様な笑顔が広がった。



元々京子ファンクラブのメンバーなのだから、守護者達が歓喜するのは当たり前なのだ。


しかも自分達の為に料理の腕を振るってくれたことに感激して胸一杯、といった様子の男達が多数。


女性ファン達はこんなに凄い料理を作れるなんて、と憧れと尊敬の眼差しで見詰めていた。



…総合すると若年層(とは言え皆京子より年上)の男性陣は胃袋がっちり掴まれ《こんな彼女(若しくは嫁さん)欲しい》、女性陣は《こんな可愛い妹欲しい》、年配ファンは《こんな良く出来た可愛い娘(若しくは孫)が居たらさぞかし幸せだろうなぁ》であった。



「ありがとうございます。
本日は事務所サプライズの、私には初めてのファンの集いにお越し頂きまして、改めてお礼申し上げます。
限られた時間ではございますが、精一杯おもてなしさせて頂きますので、皆さまどうか楽しんでいって下さいませ。」



見事なまでの挨拶に、某大手有名デパートの採用担当の守護者は彼女レベルの新人が来たら教育が要らなくて楽だろうなぁとつくづく思ったと後日呟いたらしい。



その後も守護者達の至福の時間は続いた。



出演作のダイジェスト映像の上映会を守護者達が観ている間にメイクと衣装を整えて来た京子は、その艶やかさでまた彼等を驚かせ、近くに居た守護者相手に即興でドラマを再現して見せた。(但しDARKMOONは除外した、怖いから。)



撮影中の裏話は勿論、未公開のデビュー前の秘蔵映像や、その秘話等も披露され会場は大いに盛り上がり。



更に事務所に入った時のオーディションで披露した桂剥きの薔薇も即興で披露し、料理人をしている守護者も感嘆の声を上げた。



…楽しい時間は過ぎるのが早いもの。



京子は再びスポットライトの下に立ち、マイクを手に守護者に向き直った。



「…楽しい時間は過ぎるのが本当に早いですね。
既にこれだけの皆さまが揃っておいでなので、もうお気付きの事と思います。
  今回の私の初めてのファンの集いに来て頂いた皆さまは、私が通勤に使っていた朝の電車内で陰ながら私を護り続けて下さった守護者と言われる皆さま方です。
改めて、お礼申し上げます。
今まで本当にありがとうございました。
…実は私、近い内に引っ越す事になりまして、電車内で皆さまにお会いする事が叶わなくなります。
今まで護って下さっていた皆さまに何の挨拶もお礼も無しに通勤を止めるなどという不義理な真似はしたくないという事で、今回の会を開く運びとなりました。」



会場全体に散らばる守護者達に目を向けながら、京子は今までの善意に心からの感謝の意を述べた。



守護者達は寝耳に水の事態にざわめきが収まらない。


しかし考えてみればいつかは起こる事で、予告なく京子が電車に乗らなくなったとしても何の不思議も無かった事だった。



こうして直接話してくれる方が余程稀有な事であろうことは、その場に居た誰にも解りきった事実であった。



「…楽しい夢の様な時間でしたが、そろそろ夢から醒めなければなりません。
最後に皆さまお一人お一人とご挨拶をして終了とさせて頂きたいと思います。
お名前を読み上げさせて頂きますので、壇上においで下さい。」



京子が最後の挨拶をしている間に舞台中央から少し下手(しもて)にスタッフが並べた机の上には、小さな箱が山と積み上げられていた。



京子は念のためと用意された招待客リストに一度も目を向けること無く、一人一人招待客を壇上に招いた。



そうして小さな箱を手渡しながら丁寧に礼を述べ、しっかりと握手を交わしていき、最後の一人まで決して手を抜く事無く見送ったのだった。



会場を後にした守護者達が小さな箱と、出口で渡された手提げ袋の中身を確認して、彼女が本当にファンを、自分達を大切に思っていてくれる事を再認識しても無理はない。


「…吉野さん、ご挨拶が遅れまして申し訳ありません。
お疲れ様でした。」



相変わらずの綺麗な所作で挨拶する京子に、吉野は満足げに頷いた。



「うん、相変わらず相手に不快な気分を与えない良い挨拶だ。
この馬鹿とほぼ同じ環境で育った筈なのに、こうも違うとなぁ…。
場所と立場を良く弁えてるし本当に素晴らしいよ、京子ちゃん。
  何よりコイツに対する対応は見事だよ。」



「恐れ入ります。
申し訳ありませんが、この後の仕事もありますので私はこれで失礼させて頂きますね。」



「…っ待てよっ!!」



追い縋ろうとする尚を丸無視して吉野に挨拶し、京子は姿勢の良い軽やかな足取りでその場から去って行った。



京子の腕を掴もうとして吉野に遮られ、結局満足な会話も出来ずに逃げられてしまった尚は、邪魔をした吉野を憎々しげに睨み付けた。



「何で邪魔すんだよ、オッサン!!
逃げられちまったじゃねーか!!」



「…何度言ったら解るんだ?
此所はお前の家の中じゃないし、彼女にも仕事がある。
第一彼女はタレントであり女優だ。
腕を掴み上げて怪我をさせたり痕を付けたりされたら賠償問題にも発展しかねん!!
いい加減場所や立場を弁えて自分がやろうとする事がどんな事態を招くか考えて行動しろ、この馬鹿!!」



こんなに手の懸かる奴は今まで居やしないとぼやきながら、吉野は尚に今まで言わなかった事実を告げた。



「いいか、よく憶えとけ。
俺はアカトキが付ける本当の最後のマネージャーなんだよ。
意味が分かってない様だから説明してやるがな、うちの事務所じゃ手に負えないタレントや歌手なんかを再教育するのに段階があるんだ。
その一番最後の、これ以上は事務所の損害にしかならないから駄目だっていうギリギリの奴らを最終的に担当しているのが、この俺なんだ。
つまりお前は、俺が担当に就いた時点でどんなに売れていようが事務所的に首の皮一枚だけで辛うじて飼って貰っているってことだ。
俺に見放された時点で、お前の芸能界人生、終わるってわけだ。
少なくとも日本で芸能活動は出来なくなるのは確実だ。」



「な…何でそうなるんだよ。
アカトキじゃなくったって芸能プロダクションならいくらでも…。」



青ざめながらもなお虚勢を張ろうとする尚に、やはり世間知らずのお坊ちゃんだなと嘆息して、噛み砕くように吉野は説明してやった。



「あのな…お前も知っての通り、アカトキは日本芸能界で指折りの大手だ。
張り合えるのは今現在LME、若しくはジョニーズ、モリプロぐらいだろうな。
そんなところでまあまあ名の通っていたお前が、そこいらの弱小プロダクションに入れたとしてだ。
アカトキの力でその事務所は片っ端から仕事潰されて終わりだな。
つまりお前が、今までみたいな芸能活動がしたいならアカトキの力に潰されない大手に移籍するしかねぇんだが、大手は上同士の繋がりがしっかりしてる。
お前がアカトキをクビになった話なんざすぐに行き渡るから、当然どこ行っても門前払いだな。
それでも芸能活動したいなら、海外に何のバックアップも無しに飛び込むしか道は無い。
そんな真似が甘ったれのお前に出来るとは到底思えんな。
  理解できたか?お坊ちゃんよ。」



自分の立場を漸く理解できたのか、悔しげに拳を握りしめる尚の頭に、吉野はそうなりたくなきゃならないようにしっかり考えろと手を乗せて言い置き、次の仕事へと先を促した。




京子と尚が顔を合わせた緒方の新作映画、実は記者会見の直後、もう一つの策略が動き出していたのだが、それを尚が知るのはクランクインしてからの事である。



一方新開監督の映画も無事オールアップを迎え、編集作業、BGMサウンド編集等を経て公開の運びとなった。



敦賀 蓮、初の時代劇であるという話題性に加え、映画初挑戦の不破 尚や、ドラマで話題の京子初主演も相まって大注目の的になっていた。



スケジュールの都合が付かず、尚だけは公開プレミアの一度きりの参加で、全国各地の試写会には蓮と京子が二人で役柄そのままの仲睦まじい姿でファンを魅了した。



『敦賀さんの身長で羽織袴のチョンマゲ姿って、慣れるまでは他のキャストの皆さん、結構受けてましたよ~。』



『…君は着慣れててまるで違和感無かったよね。
撮影中あの格好でよく全力疾走できるもんだとみんな感心してたよ。
  洋服のスタッフより速かったもんね?』



試写会が済んで観客の前で撮影中の裏話を披露する時も、爽やかな中に甘さを醸し出した蓮の微笑みと、それを受けて恥ずかしそうにはにかむ京子の初々しくも愛らしい笑顔に、一部で映画が彼等に本当の愛を育ませたのではないかと噂する者もあったという。











…ありゃ?
辻褄合ってるかな?