6月は一年の中で最も忙しい月の一つだ
高年齢雇用状況報告書、障害者雇用状況報告書、労働保険の年度更新・・・
役所関係の書類の作成・提出、手続きが集中する
賞与の支払いもある
中でも厄介なのが個人住民税関連の業務だ
現在アップルハウスの店舗・事業場は8都府県 25市区町村にあり
そこで働くスタッフの住んでいる市区町村は実に50にも及ぶ
法人税と同様 個人住民税も計算方法 記載項目 内容などほとんど同じだが
50の自治体から送られてくる書類 封筒の大きさと形状は千差万別で
今年はさらに定額減税があり 例年以上に複雑になっている
様々な大きさ 形状の封書を一つ一つ開封し 通知書を全員に配布する
会社用の通知書から 全員の月々の徴収額をエクセルに転記する
この一覧表を基に毎月の給与から一人一人住民税を天引きし
徴収した税額を50の自治体にそれぞれ個別に納付している
徴税は国家の最も重要な基盤の一つだ
古代ローマ帝国で考案された徴税請負制度は
イスラム帝国や絶対王政期のヨーロッパにも受け継がれ
どの時代 どの地域でも徴税請負権は 競売やオークションにかけられていたそうだ
定められた税額以上の金品を徴収し 差額を懐に入れることが目的だったのだろう
古今東西 人々が喉から手が出るほど欲しがっていた徴税権や徴税業務は
現在の日本では我々民間企業の経理部員が請け負わされている
しかし かつての徴税請負人のように苛斂誅求で私腹を肥やすことはできない仕組みだ
粛々と 定められた方法で税金を預かり納付している
それぞれの自治体がどのような社会を目指していくのか 何にお金をかけていくのか
決めるのはもちろん 住人なので 私があれこれ言う筋合いではない
だが社員が汗水たらして稼いだ給料の一部を預かる身として
行政が行うべき煩雑な業務を
無給で代行させられている現代日本の徴税請負人として
せめて無駄な使い方はしないで欲しいと願うばかりである