読書感想文 | 国士無双

国士無双

おもしろき、こともなき世を、おもしろく・・・

他のブログ大家同様「書評」と書きたいところだが、少し気恥ずかしさがあるのと自分より知的な方が書いている物を「評価」してよいのか?という思いからタイトルをとりあえず「読書感想文」とした。


国士無双-若き友人たちへ























テレビの「NEWS23」をよく見ていたし、学生時代に著作を何冊か読んでいたので書店で衝動買いしてしまった。

本の内容は、戦争、憲法、政治、教育などが主な内容である。

この本の企画段階では、病気の筑紫さんが遺言として残しておきたい言葉を連載して後にまとめるという形でスタートした。が、病気の進行のため連載自体は2回のみで終了してしまった。。その後2008年に他界されるが、しばらくして出版社が筑紫さんの大学での講義のテープを文章におこして、2回分の連載に付録してまとめた内容となっている。 

本の内容は、戦争、憲法、政治、教育などが主な内容である。

戦争についてはこの年代の方であればそうだろうが、疎開や空襲など具体的な経験が書かれている。話しはそこから沖縄につながり、憲法9条につながり、政治につながり、教育につながっていく。

一貫しているのは、日本の行く先への「不安」である。

それも、年寄りによくありがちな若者への戒めや発達した現代社会への不安などではなく、具体的に①国の借金額の増加や②日本人口の減少、③世界と比べての学力の低下などを挙げている。

現在の普天間問題や、改憲問題を読み解く示唆も多く含まれている。

読み進めていると、思わずNEWS23の「多事争論」の筑紫さんの話しぶりが脳裏に浮かんでくる・・・。

「これが絶対に『正しい』ということはない、しかしこれが正しいのではないかということをああでもないこうでもないとみんなで考えていくことが大事である。」という趣旨の発言をあらゆる場面でおっしゃっていた記憶がある。ことあるごとにこのことが頭をよぎる。