何年ぶりに、両親と美術館へ行った。関心のある企画展があって、いっそのこと両親も一緒にと思ったからだ。
久々の日常ルーティン以外のお出かけだった。企画展はよかった。好きな絵を見つけることができた。多分つがいのフクロウが仲睦まじく寄り添って梅の枝にとまっている。枝の丸みと寄り添う2羽の雰囲気が調和していた。私には夫婦に見えて、こんな関係があるのはいいなと思えた。ふっと、両親のことを思った。なんだかんだ口げんかもしているけれど、夫婦ってこんなものなのかなと感じた。
「原爆の図」を描いた丸木位里さん。「原爆の図」は残酷だった。脚だけが何体も積み重ねられ、人間とは思えなかった。脚という物体の集積。恐ろしい景色を経験したのだろうと思う。想像ではない、現実のそんな世界が本当にあったのだ。覚えておかなくてはならないことだ。
父は、鑑賞中でも「腹が減った」「うちに帰ろう」と周りを気にせず大き目の声を出していた。注意しても仕方ないと思ったので、放っておいた。母が「場壊しだよ」と言っていた。母にまかせておいてよかったと思う。幸い鑑賞者はわたしたちのほかは、1,2名ほどだったので、ほぼ貸し切り状態だった。せめてもの救いだった。
庭園の木々の紅葉もきれいだった。ひとり鑑賞のほうがよかったかもしれないけれど、父母の社会参加ができたことはよかったと思う。