耳の奥で海が潜んでいる

閉ざされた口の底で舌が膨らむ

奥歯から蜘蛛が糸を張り巡らせる


(何もかも手遅れかもしれない)


爪先でヤドカリが家をなくす

蟻の行列が先祖の魂と結びつく

精霊馬(キュウリ)が飛び交う川


(水に流すことが多いです)

背骨から冬虫夏草が生えてきます」


浸水する床が夜と謂う液体で満ちる


「とても喉が渇いています


進水する夜が液体と謂う床で欠ける


「冬虫夏草まで背骨で萎れてゆきます

(水に留めないことが少ないです)


皮が這い擦る精霊馬(ナス)

蝶の群れが先祖の魂として旅立つ


(何もかも尚早かもしれない)


前歯まで鰻が滑りを残している

開かれた口の奥で喉が萎む

海の底で耳が孕んでいる