圏外へおよいでゆく
さかなの小骨の音階

(音がメロディに聴こえるたび
耳を澄ませるのです)

またどこかへ行ってしまう
壁紙のマグノリアのシロ色


生活音にまぎれている
日常語のことばを拾う

(骨格が透き通った皮膚の下で
息を潜めていたのです)

ここに真実のシーンが見つからない
遠くへ行きたいと願うロケットの心


機微を印してひかりを点す
効果的な初歩を刻んでいる

誰かの心臓が左側で囁く
誰かの心臓が右側で呟く

(私たちは何てちっぽけだろう)


正しい知識も理解もせずに
頭ごなしに決めつけてしまう

(手遅れになる前に壊してしまおう)
まるで心中するみたいに。



それからやってきたことばをわすれて
わたしたちはくりかえすのだろうか?