詩に成り損なった言葉の亡骸が

街中に張り出されて

宣伝塔の光がそれを潰してゆく


階段は気付けば螺旋状で天へと伸びている

登っていればいつしか降りている

根の国 音の国(見えなければそれは同じです)


子どもの掌から小さな生命が漏れてゆく

金色の欠片を川から拾って来た

目を瞑って鏡に映り込んでいる睡魔


海月の群れの中で1

目が覚めてしまう事の恐怖

張り付いた強張りがお面ごと削がれてゆく


ーどうしてそんなに暗いのか?ー


明るい声が上滑りしてゆく

花畑の脳内から旋回する蜂の羽音

闇を貪るお歯黒の女


(沈んでゆく花が美しいまま朽ちてゆくまで、)

音は呼吸を石化させる

祈りは荒々しく雷鳴を叫ぶ


肋骨の隙間から見た星空は

見え透いたお世辞より美しかった

(君に尾鰭がついてゆくから、僕は言葉を殺して回った)


水晶のペーパーナイフが飛んでゆく

背骨を開いた刃先の透明度

玉葱の花が透き通って死んでゆく


魂の底で獣が咆哮する

苛立つ背表紙を撫でて

樹液を啜る男の喉仏を

(彫刻して盗んでゆく

変拍子も色素を早める

鼓動の奥で波打つ脈動


歌ってくれる子どもの声が
冷たく溶けてゆく
幽かに発光して遠ざかる
外に向かう熱は鈍器です」
知恵熱を持て余しながら寝転がる
猫は大きくノビをした