木の下闇

五月雨

女が射干玉の髪を濡らす

長い気休めは腐らせる

草臥れた畳に生える黴から

蝉の背中から冬虫夏草

(煎じて飲んだのは誰?)


首から上が皮一枚で繋がって

足も無いのに立っている男

白いシーツが清潔な儘

黄色く日焼けして吊り下げられる

(あれは善意の呪いです)

鳥避けの二重丸が重複して浮き上がる

夜毎眼球が現れると悪夢を覗くのだ

(硬いものを咀嚼する為の牙はありますか?)

宝石が裡で光を通す


連続性 言葉の持つ法則性

性質の不一致ですね

(くだらないと思う自我を早く棄てて)

箸が転がって笑う子どもたち

幸せの一本はそういうもの?

いヽえ、あれは骨かもしれませんよ」


許されないことを望むなら、)


孤独で在り続ける君の欲望

同類をいち早く結びつける

すべて必然である」


揺れる紐がなんであるか?

千差万別なのだよ


誰かにとってそれはクビに絡み

誰かにとってそれは手を掠め

誰かにとってそれはただの常夜灯の紐


主語は一刻も早く脱却すべきだね」


顔のない向こう側が笑う

それを狂気の沙汰と呼ぶ


(覚悟は決まりましたか?)