絡まる蔦の壁紙の

奥の奥から漏れ落ちる

光の鹿がやってくる


ツノから生える植物が

蕾んで膨らみ 花開く

真白い鹿の赤い目が

宝石のように輝いて

心の底に触れました。


コマドリたちがやってきて

甘い果実を啄ばんだ

番の鳥は赤い実の

種を運んで飛ぶのです


地面の下で宝石は

静かに心を呼ぶのです

素手で掻き分け柔らかな

青い欠片を摘みました


絡まる蔓を横目で眺め

書斎へ急いで行きました

彼の言葉は幽かに揺れて

発光しながら消えてゆく

謎解く時には密室で


壁一面の偏愛を

標本にして生きている

彼の言葉は古の

神の声が降り注ぐ

器の様なものだから


真白な鹿の赤い目が

模様の奥から覗いてて

彼は目視し続けて

今では壁の中にいる