言葉を紙面の上へ受けとめる 文字の器に当て嵌める 手の平では指の隙間から零れるのと同様に 頭から流れていってしまう 早く正確に模写するのだ 形として 色として 馨りとして感じた全てを掬って 描写するのだ 音を角で拾い 幻視と旅立つ 海月や水母の様に流れに身を委ねて 心地好い方へと 溶けてゆくように 指先を走らせてゆく 星や雨の流れに似て一瞬だ それを捉えるのだ  水中の樹木 総毛立つ産毛 跳ね上がる波紋 塩塊の透き通ったその奥の虹 泡の浮上する会話  落ちる音 月を包んで森は沈黙する 裂ける口は蛇を孕んで 闇の声を産み落として 高音と心中する 低音の心外 踏み潰した虫から羽化してゆく言葉を 埋没させる 口論の溜息を 押し流す 冬の疼きを撫でて 匙を投げるエトピリカ そして口走って走り書く 神様の戯れ