彼の言葉を拾ってゆく
赤 黄 橙 茶
秋の色彩をひとつ
又、ひとつ拾い上げ
彼の声を聴いているのだ。
詩は送る為のものだとして
届く事のない愛を綴った手紙に
火を点けたのは紛う事なき事実を
伝える手段を諦めてしまったのかもしれない
彼の言葉を燃やして
灰になった枯葉を
心の奥底に埋めた
春が来る頃には
新たに萌える配色を
又、拾い上げてゆくのだ。
真冬の凍結を溶かす
言葉を孕んでゆく
自らの内に立ち返る声
踏み込んだ心底の先
咲いてくのだから
生きうる限り
踏みしめて
噛みしめて
歩いてゆくほかありません
青い空に枯葉が渦巻いて
風に流されてゆくのだ。
捕まえるしかありません
彼の枯葉が走ってゆく
思考を先鋭化して
もっと深くもっと高く
言葉の意味を超越し
走れ走れ走れ
言葉を点火して尚、
燃やせ。