韓国映画『インディアン・ピンク』ネタバレ結末あらすじと感想評価。キム・ヒョンジュン演じる魔性の魅力に翻弄される
社会的な地位と愛する彼女を得て、完璧な人生を送っていると自負していた男・カン・ドンソクが、目の前から突然消えた彼女の存在により絶望の奈落に陥っていく様を描いていきます。
監督と脚本は、キム・シウ。カン・ドンソクは、本作が初主演となるK-POPアイドルグループ・SS501のリーダーとしてデビューしたキム・ヒョンジュンが演じています。
映画『インディアン・ピンク』の作品情報
【公開】
2020年(韓国映画)
【監督・脚本】
キム・シウ
【キャスト】
キム・ヒョンジュン 他
【作品概要】
完璧な人生を歩んでいると自負している男、カン・ドンソクを演じるのは、本作が初主演となるキム・ヒョンジュン。
本作での演技でカリフォルニア国際映画祭にてベスト演技賞を受賞し、初主演ながらも高い評価を得ました。
映画『インディアン・ピンク』のあらすじとネタバレ
カン・ドンソク(キム・ヒョンジュン)は、沈鬱な表情で自宅へ戻っていました。部屋は真っ暗で待つ人は誰もいません。テーブルの上にはワインの空きボトルがたくさん置かれたままです。
そんな時、幼なじみのミンギがビデオ電話をかけてきました。仕事のパートナーでもある彼は、ドンソクの家で一緒に飲みたいので今から行くと言いますが、ドンソクは頑なに断ります。
するとふと思い出したようにミンギは「旅行へ行ったヒジュさんから連絡はきたのか?」と質問をしてきます。するとドンソクの表情はこわばり無言のまま。「まだ連絡はないのか…」とミンギは心配そうに答えます。
ミンギと電話を切ったあと、ドンソクのもとに国会議員から電話がかかってきます。ドンソクは、どうやらかなり社会的地位のある人物のようです。ドンソクは指示を待っていた秘書を帰宅させ、物思いにふけります。
スーツ姿のまま酒を飲み、テレビを見ようとするのですが、天気予報をチェックしただけであまり興味がわかなかったのかテレビを消し、ドンソクは自身のスマホに保存されている動画を見ることにしました。
するとそこには一人の女性が映っていました。彼女がヒジュ、その人です。その動画を見ながらドンソクはヒジュの友達に電話をかけました。
ヒジュの居所を尋ねると「ヒジュは休暇で旅行へ行っているはず。ドンソクさんは一緒じゃなかったの?」と不思議そうに質問します。
気まずくなったドンソクは、その場をごまかし電話を切りました。そして次に知り合いの検事に電話をします。
「出国記録はないので、国内にいることは間違いないです」と答える検事。ヒジュはドンソクの前からいきなり姿を消してしまったのでした。
酒をあおり、インディアン・ピンクのワンピースを着たヒジュが微笑む思い出の動画を見ながら涙を流すドンソク。
何度もヒジュへ電話しますが、つながりません。留守番電話に「俺はどうすればいいんだ、何をしたっていうんだ」とメッセージを残し自暴自棄になります。
その後何度もヒジュへ電話し「別々の道を歩むことは受け入れる。でもせめて知人としてそばにいさせてほしい」と留守番電話にメッセージを残します。
なぜヒジュが自分のもとを突然去ったのか、心の整理がつかないドンソクは、空になったボトルを投げつけ、ガラスの破片の上に自らの身体を投げ出し、血だらけになってしまいます。
自分の身体をガラスの破片で痛めつけたドンソクは、ふと冷静になり、タバコをくゆらせます。そして先ほど電話をかけてきた幼なじみのミンギへ電話し「ヒジュが結婚をしようと言うんだ。許してやるべきだよな」と笑顔を見せます。
ドンソクの悲しい嘘を真に受けたミンギは、2人が仲直りしたことを心から喜びます。
以下、『インディアン・ピンク』ネタバレ・結末の記載がございます。『インディアン・ピンク』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
しかし実際はヒジュが帰ってきたわけではありません。リビングに飾ったままになっているヒジュのお気に入りのインディアン・ピンクのワンピースに向かって思い出話をする悲しいドンソクの姿がありました。
「一言でいい、俺のせいじゃないと言ってくれ」と言い、「俺が死ねば終わるのか?」と台所にあった包丁を手に自殺を図ろうとします。しかし包丁で自分を刺すことはできず、首を吊ろうとするも、失敗に終わりました。
そしてドンソクはヒジュと最後に会った日のことを思い出します。
その日ヒジュはインディアン・ピンクのワンピースを着ていました。帰宅したヒジュはすでに家にいたドンソクに驚きながらも「夕飯を作ろうか」と明るく言います。
そんなヒジュの言葉を遮り、ドンソクは「俺は新しい人生を始めたいんだ。別れよう」と冷たく言います。ドンソクのために心も身体も犠牲にしてきたヒジュは納得ができず「何が問題なの? 絶対に別れないわ」と怒鳴ります。
その場を立ち去るドンソクに、包丁を手にしたヒジュが「私が死ねばいいの?」と凄みます。しかし死ぬことができません。
ドンソクに向かって「別々の道を歩むことは受け入れる。でもせめて知人としてそばにいさせてほしい」とすがりつきます。そして女の影のあるドンソクを罵倒し、二人はもみ合いになります。
するとドンソクはヒジュに馬乗りになり、首を思い切り締めます。激しく抵抗するヒジュでしたが、そのうち動かなくなってしまいました。
驚いたドンソクは、また少し息のあるヒジュを心臓マッサージしますが、ついにヒジュは息絶えてしまいます。
「ここまでする必要はなかった。そう思わないか? すべて君が悪いんだ」とヒジュに語りかけるドンソク。そのままヒジュの遺体のそばで一夜を明かしたドンソクのもとに、ミンギが突然訪れました。
横たわるヒジュを見て驚くミンギ。「ヒジュが僕のすべてを奪おうとした。奪われたくなかったんだ。刑務所なんか怖くない。彼女に二度と会えないと思うと死んでしまいたい」と言い訳をするドンソク。
その様子を見てミンギは「これは事故だ」と言います。
するとその言葉を待っていたかのようにドンソクは急に冷徹な表情になり、「そうだ。これは事故だ。未練がましくすがりつくからいけないんだ」と淡々と話します。
警察に通報するというドンソクに対し、「お前だけがつぶれるんじゃない。お前の後ろにいるやつらはどうなる」と言うミンギ。
涙を流しながら「死人には悪いが、世の中に行方不明者は何人いると思う? お前さえ心を決めればいいんだ。分かったな」と説得します。そして帰り際「ヒジュさんは確か、無人島へ旅行に行ったんだよな」と言い残していきます。
その時、ドンソクにウンジュという女性から電話がかかってきました。電話に出たドンソクは、ヒジュの遺体のそばで彼女に「愛しているよ、お姫様」というのでした。議員の娘であるウンジュと交際を始めたドンソクは、ヒジュが邪魔になったのです。
ドンソクはヒジュの遺体をバラバラにし、返り血で血だらけになった姿のまま、台所で料理をします。そしていつも通り迎えに来た秘書と一緒に出掛けるのでした。
映画『インディアン・ピンク』の感想と評価
観るものを翻弄するストーリー展開
物語の冒頭、暗闇の中を歩き続けるカン・ドンソク(キム・ヒョンジュン)。自宅に戻ったにも関わらず、電気もつけずに部屋をウロウロ歩く彼にとても違和感を覚えます。
高級なスーツを身に着け、世話を焼く秘書がいる彼は見るからに社会的地位がある人物に見えます。そんなドンソクが、秘書を帰宅させ一人きりになると、どんどん自分自身を見失っていきます。
理由は、恋人のヒジュが突然別れを切り出し、姿を消してしまったから…と思いきや、彼が取る行動の一つひとつが奇妙で、観ている側は、ボタンを掛け違えているような不自然さを終始感じていきます。
すると終盤、まさかの展開が待ち受けています。「えっ?何?どういうこと?」と最初は混乱するのですが、次第に「なんともいえない違和感は、そういうことだったのか!」と納得するストーリー展開になっていきます。
キム・ヒョンジュンの魔性の魅力
カン・ドンソクを演じるキム・ヒョンジュンの独壇場といってもよい本作。社会的地位のあるビジネスマンが自らを見失っていく姿を見事に演じています。
人生のすべてが上手くいっていたのに、どうしてこんなことになってしまったのだ…と嘆き、自分のもとを去っていった恋人・ヒジュへ未練がましく電話をする姿は、ストーカーじみていて背筋が寒くなります。
しかしドンウクの本性が現れた時、自分勝手で臆病な別の顔が垣間見えます。保身のためには何でもする残忍な姿に、またしても背筋が寒くなります。
残忍な行為に及んだあと、血まみれの姿で料理をするシーンは狂気に満ちています。しかしそこで流れる音楽のなんと優雅なこと。そのギャップとキム・ヒョンジュンの魔性の演技に、私たちはさらに翻弄されていくのです。
まとめ
複雑なストーリー展開の『インディアン・ピンク』。ぜひ2度観てほしいと強く感じました。
1度目に感じた違和感や疑問を回収するため、2度目に謎を解いていくように観ると、より楽しめると思います。
キム・ヒョンジュンは、始まりの完璧な男から、彼が次第に転落していく様子を見事に演じています。そして物語の最後、彼が魅せる冷酷な男の表情は必見です。




