自分でお金を増やしたい!!


とはいっても、私は、私の年代からすると、かなーり無知な部類に入ると思う。


今年の六月まで、日経平均なんて見向きもしなかった。

銀行振込みは、25年間生きてきて、今年の一月に家計を握るようになってから初めて体験した。


銀行預金は給料が入ってくるか預け入れるか引き出すかの3パターンオンリー。


自発的にクレジットカードを使ったことも無い。


面倒くさいことは今まで全て親がやってくれていたんだと思う…。


ちなみに、自分で部屋を借りたことも無い。

家を出てすぐに夫の住んでいた部屋に転がり込んで同棲を始めてしまったから。

若かったな…。



とりあえず、今、私の使用可能な金額は約14万円。

なぜこれしかないのかというと、そこにはふかーい訳があるのだが…そこは割愛する。



これで、最初に何をしよう…?



とりあえず、国債でも買ってみる…?


今興味があるのは、人気のFX。

けれど、多分私の性格上、レバレッジをかけてドカーンとやることは無いと思う。

こつこつと地道に、堅実に。

それが私の信条だ。


ドカーンと派手にやるのは、大体夫の役割なので…私はしっかり足元を固めたいと

ついつい思ってしまうのだった。


現在の私たちの状況は、あまり変わっていない。


夫はフリーで動いているが、今のところまだ結果は出ていない。

そろそろ軌道に乗り始めたという話ではあるけれど。


義父については、容態は悪化する一方だ。


先週、夫が呼び出され、本格的に延命処置のことについて話し合ってきた。


夫も、私も、延命処置については「しないでほしい」という意見で一致した。

延命処置で元気になり、たとえ寝たきりでも、ものを食べられるまでに回復するならまだいい、

でも、そこまでの回復は見込めないらしい。


まして、私も、夫も働いていて、日中誰も面倒を見ることは出来ない。

今の状況で、私が仕事をやめることは出来ない。

夫だって今はフリーとはいえ、一日家に居るわけではない。

そんな中、義父が肺炎になり、うっかり痰を詰まらせて、そのまま…なんて事だってありえる。


よしんばそれを発見して痰を吸引しても、素人が痰の吸引をやるのは非常に難しいという。

看護師さんが行っても、血だらけの痰が出るのだ、私たちではもっと苦しい思いをさせるだろう。


それなら病院にいれば安全だということになるが、家族と…それも義母がもう亡くなっている今、たった一人しか居ない一人息子である夫とずっと離れて生きながらえても、果たしてそれは幸せだろうか…?

夫はあまり見舞いには行かないし…。

おそらく、大好きだった義父がやせ細り、言葉も話せなくなっていくのを見るのが辛いのだろう。

私も…実父が亡くなったときそうだったから。



夫の仕事は夫の仕事。うまくいくに越したことは無いが、それに振り回されるのもどうかと思う。

義父の容態も、私たちがどうにかできる問題ではなくなってきている。


だから、私は、自分に何が出来るのか、今までよりもっと真剣に考えることにした。


自分と、自分の守るべき家庭のために、何がしたいのかはわかっている。

お金を私の力で増やすことだ。

動かなくなってしまった義父に、これはまずいと、私は救急車を呼んだ。


119番を押すのは、実はそのときが初めてだった。

私の家のそばには消防署があるので、すぐ来てくれるだろうと夫は言ったが、

来てくれたのは別の区域の救急車だった。


たしか、5、6人はいたと思う。


義父は担架に乗せられ、救急車へ。


私と夫は、必要であろうもの…健康保険証などをかき集めて

救急車に同乗し、病院が決まるのを待った。


2件断られ、3件目でようやく受け入れてもらえることになった。



病院までは、およそ15分でついた。

診察してくれたのは、若い男の先生だった。

…ちょっとよゐこの濱口に似ていた…。



先生から説明を受けている間にも、

義父につけられた機械が時折アラーム音をならす。


そのたびに、看護師さんが

「しっかり呼吸してくださーい。がんばってー」

と声をかけてくれていた。



診察結果は

「肺炎」。


食べたものを、嚥下できず、気管支のほうに誤って入ってしまい、

口の中に存在する雑菌が肺で悪さをして、

肺炎を起こしているのだろうという診断だった。

誤嚥というらしい。



当然、即日入院。



先生は

「延命治療などという場合はどうしますか」

と言い出した。


夫は青ざめながら

「いま決断しなければならないということですか」と聞いた。


確かに、86歳というのは高齢で、いつ何があってもおかしくないだろうが…

改めて「延命処置」という言葉をきくと

かなりショックだった。


先生は「今すぐということではありませんが…延命処置を始めると、もうそれ以降は取り外すことは出来ませんので…」と言葉を濁した。


私たちは、その答えは保留にして、

義父の入院手続きをすることにした。