1日1回、下を押して下さい
こんにちは
私の娘は18トリソミーという難病を持ち
15ヶ月で天国へ行きました。
ときどき
その娘を想ってブログを書いています
_________
子どもの頃は
美味しい物が分かりませんでした
なぜなら
わたしが好きな真っ赤なアメを
姉はまずいと言っていたし
わたしが嫌いな柚子の香りの物を
母は上品で美味しいと言ったからです
でも
父にはこう教わりました
「ずっと食べていたい
もう一口食べたい。
そう思う物が
自分にとって美味しい物である」
なるほど
そういう物が
美味しいことならば
わたしにも簡単に
美味しい物を見つけ出せます。
…マンションのベランダの床は
格子が木で作られて
裸足で気軽に出られるのです
ベランダからの景色は
特別に良いというわけでは
ないけれども
なんとなく
そこにいるのが好きなのでした
一回座ると
ずっと座っていたくなる
あともう一刻
いたくなる
それならば
このベランダは
わたしにとって美味しいベランダなのでしょう
毎夜10時になると
ベランダの前にちょうどある家の
軒下灯に
ネコが乗って
座るのでした
軒下灯はきっと
その明かりによって
暖かいのでしょう
ネコは数センチしかない軒下灯に
器用に乗って
毛づくろいをするのでした
わたしはベランダの
座り心地の良くないベンチに座って
そのようすを
ゆっくり
ただ見る
ただ
そんな特別でないことですが
なんとなく
もっと居たくて
もう一刻居たいのです
ネコは暖かい軒下灯の上
わたし固いベンチの上
ネコは
その仕草や目つきから
野良猫ではないかと見当がつきます
家ネコは
20年生きる者もいるのに
野良猫はたった
2年くらいしか生きられないといいます
目の前の野良猫は
軒下灯の上で毛づくろいし
のんきに見えますが
きっとお昼間
たくさんの過酷な事件が
あったのかもしれません
ネコは暖かい軒下灯の上
わたし固いベンチの上
また
明日も会いましょう