山口祐一郎さん・保坂知寿さん・浦井健治くん・・・の3人芝居(実際はもう一人声の出演あり)
「オトコ・フタリ」に足を運びました。
 

 

幕が開き、祐一郎さんと知寿さんの2人の会話で始まる舞台・・・

ルイスとテッサ(「永遠の処女テッサ」)、ハンスとオンディーヌ(「オンディーヌ」)、ピーターとリタ(「キスへのプレリュード」)・・・など劇団四季時代に2人が演じていたストプレを思い出してワクワクしました。

健ちゃんが出てきて祐一郎さんと健ちゃんの場面になると思い出すのはクロロック伯爵とアルフレート(「ダンス・オブ・ヴァンパイア」)。さらに、声の出演はサラ(大塚千弘ちゃん)ときて、本当にこのメンバーの組合わせだけでウキウキしてしまいます。

 

脚本家は「女神の恋」、「定年女子」とNHKで2本、祐一郎さん主役(厳密にはヒロインの相手役?)のドラマを書かれた田渕久美子さんですから、祐一郎さんの個性を生かす当て書きはお手の物だったことと思います。

まぁ、ストーリーはそんなに新鮮味なく、どこかで聞いたような話の積み重ね・・・ではあったのだけど。

冬馬くん(健ちゃん)の恋バナは、恭一郎さん(祐一郎さん)に良くある話だな・・・とバッサリ斬られたくらいだし、

良子さん(知寿さん)の正体も現実はともかく、映画や小説では一度ならず出てきた設定のような?知寿さんがあまりにも芝居がかった(芝居なんだけど)言い回しするから、自然な日常生活だった一幕から飛躍してしまい、劇中劇的な仕掛け?と思ったらそうでもなかったし。

演出は「ダンス・オブ・ヴァンパイア」他、祐一郎さん主役舞台を手掛けてきた山田和也さんだから、役者さんたちは自由にのびのびと役作りできたのではないかと思いますが、テレビドラマ的な脚本と舞台的表現との兼ね合いが少し微妙だったかな(回を重ねれば変わるような気もします)?

 

たぶん、この舞台はストーリーの意外性とか、サスペンスを楽しむものではなく、いかにも祐一郎さん的な祐一郎さん、健ちゃんらしい健ちゃんを愛で、男たちの想いを感じ、観客一人一人が「愛とは?」をじっくり考える舞台では?

ストーリーはわかった上でも、ファンとしては祐一郎さんの声音や表情をじっくり堪能し、禅定寺恭一郎の孤独な内面に迫りたい・・・という気持ちになるので、もう一度は観たいと思っています。