2月5日ソワレに観劇した会場は赤坂RED THEATER
タイトルは「メアリ・ステュアート」です。
ここ強調するのは、翌6日マチネに世田谷パブリックシアターで、
「メアリ・スチュアート」というタイトルの、同じ人物が登場する舞台を観たので。
よくよく見ると微妙~にタイトル変えてるけれど、ほぼ同じ題の舞台のチケットを2枚眺めながら、当日、間違った方を持って行ったらどうしよう?とドキドキしていました。
 
 
この「メアリー・ステュアート」は女優2人だけで演じられる2人芝居。
過去には麻実れいさん×白石加代子さん、南果歩さん×原田美枝子さん、中谷美紀さん×神野美鈴さんの組み合わせで上演されていて、
私は最初の麻実×白石バージョンをテレビ中継で観たことがあります。
その時の舞台装置はシンプルだったと記憶しているのですが、今回は全く違うコンセプトのようで、
会場に入ってまず目につくのは舞台奥に置かれた大きな鏡。
舞台の両サイドには化粧台と小道具。舞台上に現れた保坂知寿さんと霧矢大夢さんはそれぞれ化粧台に座り、化粧を仕上げ、アクセサリーを付ける。
”楽屋”で準備するところから観客に見せ、女優が演じる・・・ということを意識させているのでしょうか?
 
やがて舞台中央の椅子に霧矢大夢さんが座り、メアリー・ステュアートとして芝居を始め、相対している保坂知寿さんはメアリーの乳母、ケネディであることがわかります。メアリーはイングランドで軟禁状態、死刑になるかもしれないという恐れをいだきつつ、従姉にあたるエリザベス女王の許しを待つ状況が、テンポ良い会話でわかったかと思うと、音のきっかけと暗転で、場面が変わり、
真ん中の椅子に座る保坂知寿さんがエリザベス女王、霧矢大夢さんが侍女ナニーに・・・。
まさしく攻守ところを変え・・・と言った趣。
 
お互いのことを話しながらも、メアリ―とエリザベスは出会うことなくACT1終了。
休憩をはさんでACT2が始まり、ここで初めて大夢さんのメアリーと知寿さんのエリザベスが出会います。
カトリックを背負うメアリ―とプロテスタントを背負うエリザベス・・・相容れることはないかと思われた2人が理解しあい、一枚のベールの中で向き合い・・・幸せな場面・・・と思えば、全てメアリーの夢。
 
やがてエリザベス女王はメアリーの死刑を許可せざるを得なくなり、メアリ―の死で終わる物語・・・たった2人の女優が演じていながら、当時のイングランドの複雑な政治状況まで描かれ、運命に翻弄されながらも毅然と生きようとする2人の女王の姿が時代を越えて浮かび上がります。
女王と召使を互いに演じるという劇構造から、2人が互いをサポートしつつ、対決するような関係性で、密な空気が一瞬も緩むことはありませんでした。