吉田鋼太郎さんが主宰されている劇団AUN。
つい最近まで存在も知らなかったのですが、9月の原広美ちゃんのライブ(原慎一郎くんゲスト)で、この公演のことを聞き、ハラシン(原慎一郎くん)が初めてフライヤー表面に載った舞台で、歌も歌う・・・と聞き、足を運びました。
 
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舞台そのものは、非常に重いテーマだけれど音楽を効果的に使い、鋼太郎さんはこういうことを訴えたい方なのか~、とテレビやシェークスピアと別の面を知り・・・と良かったのだけど、1つ、大きな疑問が・・・

 

チケット発売時から上演に至る途中で、ストーリー変わったの?

わざと別の話と思わせるようにミスリードしてたの?

 

もともと↓のような情報で、「東海林太郎さん」をモチーフにした舞台と聞いていたのだけど・・・

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実際の舞台は↓のストーリーで、シベリアから引き揚げた抑留者たちの話。

 

チケット買ってから、特に舞台の予習などせず、このストーリーも読まないまま客席に座ったので、観ている間中、頭の中は???でした。

帰宅してからも、登場人物の誰かが東海林さんだったのだろうか(名前は特に出なかったけど)?と思い、Wikiで調べたら、東海林さんは満州には言っていたけどシベリア抑留はされてなさそうだし・・・???

いまだにその点は、頭の中?がいっぱいです。

 

まあ、その点を気にしなければ、非常に深く、重く、考えさせられる舞台でした。

戦争が普通の、優しく、温かい人間をいかに残虐非道にさせるか・・・

戦友が死んだ話を、笑い話として、大笑いしながら話す抑留者たち(溝端淳平くんと橋本好弘さん)はソ連の協力者で、1人(溝端くん)は戦友や女性たちを見捨てて逃げ出した過去があり、

引き揚げ援護局の局長(吉田鋼太郎さん)は、シベリアで自分が生きるために同胞を虐待し、殺した過去があり、

医師(大塚明夫さん)は過去、混血の赤子たちを大勢、殺した過去があり・・・

戦争の恐ろしさを描く舞台は数多くあれど、このように、普通の人間が自分自身の罪や残虐性と向き合うことを本格的に描いたものは観たことがないような気がします。

 

そんな恐ろしい話の中で、溝端くん演じる主役の回想に現れる二等兵が、ハラシン(原慎一郎くん)。

この舞台のもう一つのテーマ、歌の力を体現するような役で、登場するたびに美声を響かせて歌い、うっとり(クリストフを演じている「アナ雪2」も公開されましたね)。彼のソロから始まって全員の合唱になる歌が本当に美しいから、まだ人間に絶望せずにいられる・・・と思いました。

 

その二等兵の幼馴染だった女性役は黒沢ともよちゃんで、私にとっては、「モーツァルト!」のアマデだった印象が強いのだけど、もう大人の女性になっていてビックリ。歌も上手く、かわいく素敵に育っていて嬉しい(近所のオバちゃん目線?)!また東宝ミュージカルにも帰ってきてほしいです。