7月29日のブログで取り上げた「シアター」と同じ作家さんの本が読みたかったので、かなり人気らしいシリーズの1巻を手にとってみました。

図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫)/有川 浩

¥700
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読んでみると面白くてシリーズ1~4まで一気に読んでしまいました。


───公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。
超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ!
敵は合法国家機関。
相手にとって不足なし。
正義の味方、図書館を駆ける!


国家による検閲から本を守るために図書館が軍隊を持つという荒唐無稽な物語ですが、図書館隊が本を守る戦いの1つ1つは、とてもリアルで、他人ごとではないのだと思わされました。

少年の非行につながるような本を子供たちから奪おうとする大人たち、

障害者差別を声高に叫びながら、障害者の読む本を制限している逆差別、

本人たちが当たり前に使っている職業の名前を禁止用語と指定する不思議、

少年法と実名報道の是非、

テロリストのテキストとなりえる作家の著作活動を禁止させようとする強圧的動き、

権力批判と解釈できる芸術作品を破壊しようとする勢力

etc.etc...

小説の中ほど極端でなくても、似たような事例はいろいろと思い出せます。

言論の自由について、少し考えさせられました。

・・・と言うと重い話のように聞こえますが、ストーリーの主軸は教官と新人女性隊員のラブコメなので、かなり軽くスイスイと読むことができます。

何より本が好きなら、真剣に本を守る隊員たちに、間違いなく共感できると思います。