「インビクタス 負けざる者たち」(ジョン・カーリン著 八坂ありさ訳)
(日本放送出版協会刊)を読みました。
複雑に絡み合った社会構造、救い難いと思われたアパルトヘイト
の現実、これらがマンデラ元大統領の人間的魅力で徐々に救済
されていく過程が、関係者へのインタビューに基づいて綿密に描かれて
います。
終盤に近くなって、ラグビー世界大会の南ア開催、南アチームの活躍が
人種間の対立を溶かして行く。
社会構造、政治状況、国民意識の変化が、圧倒的な影響を社会の
隅々にまで影響を及ぼす。
個人生活では過酷な刑務所収監(27年!)、家庭内の不和など、
それだけでも押し潰される状況の中で、アパルトヘイト廃止に向かって
すべてを捧げる。
度量の大きさ、忍耐力、いずれを取っても尽きることのない魅力を
発散しています。
ワールドカップ・サッカー大会の南ア開催は間もなくです。