あまり聞いたことがない話だがプラスチック製品を愛した男の末路をあなたは知っているだろうか。

 

 彼は子供のころからプラスチックが好きだった。積み木で遊ぶのも好きではなかったし、金属バットも嫌いでプラスチックのバットで野球をしていて小学生を境に野球は止めたし、ゴムボールも嫌いでサッカーも止めた。どれもプラスチックでは耐久性に欠けたからだ。パソコンのキーボードはプラスチックだから好きだった。歯ブラシよりもプラスチック製の糸ようじが好きだった。

 

 彼は明らかにプラスチックを偏愛していた。大学も国立大学の工学部の材料科へ進んだ。好きなだけプラスチックの勉強をしプラスチックを扱う大手メーカーにエンジニアとして就職した。彼はプラスチックに囲まれて幸せだった。

 

 オナニーも風変りだった。プラスチックで作った女性の手を模した道具で性器をしごいた。もちろん結婚などしない。プラスチックを妊娠させることは人類には出来ない。

 

 そんな彼も定年を迎えプラスチックに囲まれる生活とお別れしなくてはならなくなった。

 彼は自殺した。

 

 家にあるプラスチック製品に火をつけてその有毒ガスに包まれて死んだ。巻き添えをくらい近隣住民の何人かも有毒ガスを吸ってしまったらしい。

 

 結局、彼はプラスチックしか愛せなかった。