「衣食住育学」石川幸夫のブログ

「衣食住育学」石川幸夫のブログ

教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
「力」が付く集中

■意識的関り、無意識的関り!

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 今朝、4時少し前、地震で起こされてしまいました。京都でオーロラが観察されたことを聴いていたので、巨大地震か?と身構えてしまいましたが、警報が鳴らなかったので大丈夫かと思い、また、夢の中へ。

 

 今日は、子育ての中でも気になる子どもの「集中」と「夢中」についてお話をしたいと思います。願わくば、遊びにも、学習にも夢中になってほしいと思っています。子育て相談の中で、「うちの子は集中力がなくて…」と嘆き、「でも〇〇には夢中で取り組むんです。」と、どこか安心して話される親御さんが多数いらっしゃいま。改めて、「集中」と「夢中」について考えてみたいと思います。

 

 「集中すること」と「夢中になること」の違いは、脳科学的に見ると、主に脳の活動状態感情の関与に関連しています。どちらも高い注意力が必要ですが、次のような点で異なります。

 

 集中とは、特定のタスクや目標に向かって、意識的に注意を向ける状態を指します。これは意図的な行為であり、脳の前頭前野(自己制御や計画立案を担当する部分)が主に関与します。そして、集中には以下の特徴があります。

 

  • 目的意識:特定のタスクを完了するために注意を制御している。
  • 努力が必要:集中力を維持するためにはエネルギーが必要で、疲労を感じることがある。非認知能力・忍耐力・体力
  • 外的な注意喚起:外部からの刺激や中断に対して脳が対抗する必要がある。
  • 語彙数:集中に必要な思考力、想像力の源である一定数の語彙数が必要。

 脳科学的には、ワーキングメモリ(作業記憶)や、タスクに関連する神経回路が活性化されます。この過程で、ドーパミンやノルアドレナリンが分泌され、集中力を高めますが、これは持続的に保つのが難しく、長時間行うと疲労感が伴います。

 

 一方、夢中になる状態は、完全にその活動に没頭してしまう状態で、心理学的には「フロー状態」とも呼ばれます。夢中になると、時間の経過を忘れ、自動的に作業が続けられる感覚になります。これも脳の前頭前野が関与しますが、興味深いのは以下の点です。

  • 自己意識の低下:フロー状態に入ると、自己の存在や時間感覚が薄れ、作業に完全に没頭します。
  • 楽しい感覚:興味や好奇心に基づいた行動であるため、ストレスや疲労感が少なく、むしろリラックスした状態で集中が持続します。
  • 脳の快楽系:この状態では、脳の報酬系(主にドーパミンの分泌)が活性化され、楽しさや満足感が感じられます。

 フロー状態では、前頭前野が高度に活性化しつつも、過剰な自己意識や緊張が抑えられ、作業が「自然に流れる」ような感覚が生まれます。注意力や認知能力も高まりますが、努力感は感じにくく、非常に持続可能な状態です。

 

 「集中」と「夢中」の脳科学的違いは以下の通りです。 

  • 集中意識的で努力が必要な状態。脳の前頭前野が強く活性化し、ワーキングメモリや自己制御が重要。持続すると疲労が蓄積する。
  • 夢中フロー状態で、楽しさを伴い、自然と行動が続く。前頭前野や報酬系が活性化し、自己意識が薄れ、疲労感が少ない。
 これらをまとめると、「集中する」ことは意図的でエネルギーを消費する行動であるのに対し、「夢中になる」ことは、自動的で自然な感覚を伴う行動です。後者は脳にとっても持続可能な形であり、長時間続けても疲労を感じにくい特徴があります。
 
 「集中」には「力」という文字が加わりますが、意識的に関わることなので、その能力として「力」の文字が加わります。一方、「夢中」は、その力を必要とせず、自らの好奇心や興味関心から自然発生的な状態なので、「力」を必要としません。
 
 子育ての中で、子どもの好奇心や興味関心に寄り添うことの大切さがここにあります。学習に対し夢中で取り組む子、その姿はどこか楽しそうで、表情も達成感に満ちた顔をしています。「集中力」も当然のことですが持ち合わせたい「力」です。そして、何かに夢中になる、まさに「夢の中」そこに、学習があるとしたら、そう考えるとなんだかワクワクしてきます。教育の在り方もここにヒントがありそうですね!!

 

 TODAY'S
 
予期せぬ行動!

■その時、子どもの脳内では…

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 少しずつですが、朝、顔を洗う時、水の冷たさがもどってきたようです。生ぬるい感覚から、どこかしゃきっとする感覚が蘇ってきました。すでに、🎃ハロウィンと共にクリスマスのコマーシャルも流れるようになって、少しずつ秋の気配が濃くなってきています。

 

 日常生活で、お子さんと接していると、思わぬ行動に驚いたり、冷や冷やする場面に出くわすことはありませんか。これは、大人でもあることですね。いつも通る道を避け、突然、別の道にむかうとか、何を食べるか決めていたのに、別の物を選んでしまうとか、そんなとき、脳の中では何が行われているのでしょうか。今日は少し長くなりますがお付き合いください。

 

 自分が考えていなかった方を選択するという行動には、いくつかの心理的・神経的な要因が影響しています。これには、無意識のプロセスや感情、外的要因、そして脳内の意思決定に関わるメカニズムが関係しています。いくつかの代表的な理由を挙げます。

 人間の意思決定は、常に意識的に行われるわけではありません。多くの場合、脳は無意識的に過去の経験や感覚を基に瞬時に判断します。これを「直感」や「本能的な反応」と呼ぶことがあります。普段の考えに基づく選択肢ではなく、無意識のレベルで何かが「これが正しい」と感じ、そちらを選択することがあります。

 感情は意思決定に大きな影響を与えます。たとえば、ストレスや疲れを感じているとき、気分が変わることで普段なら選ばない選択肢を選んでしまうことがあります。特に、感情の揺れや一時的な感覚が「予想外」の選択を引き起こすことがよくあります。

 

 脳の意思決定に関わる部分には、報酬システムがあり、ドーパミンという神経伝達物質が関与しています。新しい経験や報酬の期待があると、ドーパミンが活発に分泌され、「これまでとは違う選択をしてみよう」と促されることがあります。この「新しさへの欲求」が不意に予想外の選択を引き起こすことがあるのです。

 

 また、選択肢が多すぎると、人は混乱して直感や感覚に頼りやすくなります。これにより、深く考えた結果とは違う選択肢を選ぶことがあります。選択肢が増えることで、無意識的な選択や直感的な判断が働きやすくなるのです。

 

 周囲の環境や他人の影響も、意識していない方向に人を動かす要因です。例えば、他人の意見や社会的な圧力があると、自分の考えとは異なる選択肢を選んでしまうことがあります。これを「同調圧力」や「社会的影響」と呼びます。

 

 脳は多くの意思決定を行うと疲労し、最後には簡単で直感的な判断に頼ることがあります。これを「意思決定疲労」といいます。長い時間考えたり、多くの選択を迫られたりすると、脳は省エネルギーで動き、普段とは異なる選択肢を選ぶことがあるのです。

 

 人間はしばしば「未知」への興味や好奇心を抱きます。普段なら予想できる結果よりも、新しい経験を求めることがあり、そのために意識的に考えていた選択肢とは異なる行動を取ることがあります。これらの要因が組み合わさり、私たちが「考えていなかった方」を選ぶという現象が起こります。

 

 こうした選択行動の背後にある要因は、子どもと大人の両方に共通して存在しますが、脳の発達段階経験の違いから、それぞれに異なる傾向や影響が見られます。子どもは、特に前頭前野(意思決定や自己制御に関わる脳の部分)がまだ完全に発達していないため、大人に比べて感情や衝動に左右されやすいのです。このため、子どもは自分で意識していない選択や行動を取ることが大人よりも頻繁に起こります。逆に、大人の脳は発達しており、意思決定の際に経験や理論的な考えを優先しやすいですが、同時に感情や疲労などの影響も受けます。

 

 子どもは感情に非常に敏感で、特に瞬間的な喜びや悲しみなどの感情が行動に大きく影響を与えます。例えば、遊びたい気持ちが強くなると、親が注意してもそれを無視してしまうことがあります。大人も感情に影響を受けることはありますが、一般的には感情をコントロールし、計画的な行動を取る傾向が強いです。

 

 子どもは新しいことに対して強い好奇心を持っているため、考えたことがない選択肢や、未知の選択肢を選ぶことが多いです。これは脳の成長に伴う自然な学びのプロセスであり、経験を積むために様々な選択を試みる傾向があります。大人になると、経験が積み重なるにつれて新しい選択をする機会は減るかもしれませんが、それでも時折未知への好奇心に駆られて予期しない選択をすることもあるのです。

 

 子どもは新しい経験に対して非常に敏感で、ドーパミンが強く反応しやすいため、瞬間的な報酬や新しさに惹かれて意識していない選択をすることが多くみられます。大人は報酬への期待が少し抑えられている場合もありますが、それでも新しい刺激や状況に応じて脳が同様に反応し、予期しない選択をすることがあります。大人は豊富な経験と学びを持っているため、選択肢を検討する際に過去の経験を参考にします。これにより、大人はより「予測可能な選択」をする傾向があります。一方、子どもは経験が少ないため、無意識の選択肢に影響されやすく、時にランダムに思える選択をすることがあります。これは子どもの成長過程で自然に学びを広げるための重要な一部でもあります。

 

 子どもと大人の間では、選択の際に影響を受ける要因に共通点があるものの、脳の発達段階、感情コントロール、経験の違いが大きな影響を与えています。子どもは感情や衝動、新しさへの好奇心に強く影響を受け、無意識に選択する傾向が強いですが、大人は経験や自己制御能力を活かしてより意識的に選択する傾向があります。ただし、大人も時折、疲労や感情によって予想外の選択をすることがあるため、完全に異なるわけではありません。

 

 子どもの行動には時に予測不能なことがあります。それは、以上のような脳内での活動があるためです。子どもの行動に過剰反応は禁物で、温かく見守るようにしてください。

 

 

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不登校を考える

「逃げる」選択ではなく、「立ち向かう」ためのスキルを習得

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 今日は、一つの仮定から、その存在感を再認識してみようと思いました。それが「学校がない場合を想定」です。

 

「学校が無い場合を想定する」という考え方は、学校の存在意義を再確認するのにとても有効です。学校はただ学問を教える場ではなく、社会性や協働、規律、そしてコミュニティにおける多様な経験を提供する、非常にユニークな環境です。もし学校がなければ、それらの機会を別の場所で得るのは非常に困難ですし、子ども自身や家庭の負担も大きくなるでしょう。もし、学校がない社会を想像したら、最近、目に見えて増加している「不登校児」を持つ親御さんの苦労がどれほどのものかも理解できるでしょう。

 

 このように、「学校が無い」という仮定を通じて学校の重要性を再評価する一方で、不登校という現象に対しても、異なる角度から見直すことができます。単に「学校に行かない選択肢」として受け入れることが、必ずしも寛容さや理解に基づく行動であるとは限らないのではないか、という疑問が浮かびます。場合によっては、不登校という選択に対して大人が過度に寛容であることが、結果的に子どもが自分自身の成長や社会的な役割を果たす機会から遠ざかることを許してしまっている可能性もあります。

 確かに、不登校を選んだ子どもに対して「仕方がない」「無理をさせたくない」という考え方が強調されると、そこには一種の「逃げ」の感覚が生じてしまうことがあります。もちろん、すべての不登校が「逃げ」ではなく、子どもたちが感じているストレスや問題を真摯に受け止める必要はあります。しかし、不登校を許容することが、子どもにとっての長期的な成長や自立にとって最善の選択肢であるかどうかを見極める必要があります。

 不登校は、ある意味で子ども自身が困難な状況に対する対処を一時的に避けているという側面を持つ場合があります。このとき、問題を根本から解決せずにただ「避ける」選択を受け入れてしまうと、子どもは将来的に同じような困難に直面したとき、再び避ける選択肢を取りがちになり、自己成長や社会的スキルの習得が遅れてしまう可能性があります。

 ここで重要なのは、子どもたちが「逃げる」選択ではなく、「立ち向かう」ためのスキルを習得することです。不登校という状況下においても、学校に戻ることを最終的な目標にするのではなく、子ども自身が自分の問題を認識し、それに対して主体的に取り組む姿勢を育てることが重要です。そのためには、以下のようなアプローチが考えられます。

・カウンセリングや自己理解の促進

 子どもが自分自身の感情や考えを深く理解するためのサポート 

 を提供し、自己認識を促進します。これにより、自分が何に対

 して苦しんでいるのか、どのような問題に立ち向かう必要があ

 るのかを認識できるようになります。

・解決思考のアプローチ

​​​​​​​ 問題解決能力を養うために、子どもに対して小さなステップで

 目標を設定し、少しずつ成功体験を積み重ねていくことが有効

 です。これにより、学校復帰や社会との関わり方に対して、

 徐々にポジティブな姿勢を育むことができます。

・新しい学びの場の提供

 学校が唯一の学びの場でないことを前提に、フリースクールや

 オンライン学習、地域の活動など、他の方法で学び続ける機会

 を提供することも重要です。学校に戻ることがゴールではな

 く、学び続けること自体が目標であると認識させることが大切

 です。

 

 確かに、近年では学校教育のあり方に対する社会の認識が変わりつつあります。フリースクールやホームスクーリング、オンライン教育といった多様な教育手段が受け入れられつつあり、「学校に行くこと」そのものが絶対的な価値であるという認識が揺らいでいる面もあります。この変化は、子どもたちが自分のペースで学べる環境を提供する可能性を広げますが、同時に大人が「寛容でありすぎること」への注意も必要です。

 例えば、すべての選択肢が受け入れられることが、子どもにとっての自己責任や自己成長を阻害することにつながらないように、社会全体として、どのようにして学びの価値や社会性をバランスよく伝えるかを考える必要があります。

 学校が無い世界を仮定すると、その存在がいかに多様な学びや成長の機会を提供しているかが明確になります。学校に行かないという選択肢がある一方で、それが必ずしも最善の選択ではないことも理解する必要があります。寛容さが子どもにとって良い結果をもたらす場合もあれば、時には成長の機会を奪う可能性もあります。大人が子どもに対してどのように向き合い、自己成長をサポートするかが、今後の教育において重要な課題であり、不登校問題への解決の鍵にもなるでしょう。

 

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基礎教育指導だから!

■学力不足に気付いたら!

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 先日お伝えした「脳の可塑性」、それは、その前にお話をした「やる気スイッチ」と重要な関連性を持ち「脳の報酬機能」との組み合わせにより、学力不振に悩む子どもの強い味方になります。そして、学力に悩むお子さんの大半が、基礎教育の見直しを迫られますが、そこで、無理なくその学習に活かせるのが幼児教育で行われている学習法です。

 

 私たちが取り組む脳科学的学習法、その中に、「脳に負荷をかける学習」法があります。「脳に負荷をかける」という考え方は、効率性だけを追求するのではなく、あえて挑戦的な課題に取り組むことで脳を活性化し、成長させるという意味で使われることがあります。これは、学習や認知における「認知的負荷」という概念に関連しており、適度な負荷をかけることによって脳にさまざまな良い影響が生じると考えられています。

 

 脳は、学習や経験を通じて神経回路を強化します。新しい課題や困難な問題に取り組むとき、神経細胞(ニューロン)間のシナプス結合が強化され、情報の伝達がより効率的になります。これを「シナプス可塑性」と呼びます。特に、新しい学びや難しい課題に取り組むことで、脳はより効率的に働くように再構築されます。
 

 負荷をかける学習活動は、短期記憶から長期記憶への変換を促進します。情報をただ受動的に覚えるのではなく、問題解決や試行錯誤を伴う学習では、情報がより深く脳に刻まれ、記憶として定着しやすくなります。これは、学びにおける「深い処理」が起こっているためです。

 

 脳には「神経可塑性」という特性があり、新しいことを学んだり、慣れない活動に取り組んだりすることで、脳の構造そのものが変化することがあります。特に、脳に負荷をかけると、脳はその負荷に適応し、効率的に対処するために新たな神経回路を形成します。これにより、脳全体の機能が向上し、柔軟な思考や新しい課題への対応力が向上します。

 

 適度な負荷をかけることで、脳の持久力が鍛えられます。これは、筋肉を鍛える運動と同じように、脳も鍛えられるという理論です。困難な課題に取り組むことで、脳は集中力や注意力を維持する能力が向上し、長期的にはストレス耐性や問題解決能力の向上にもつながります。

 

 負荷のかかった学習は、脳の「認知的柔軟性」を向上させます。認知的柔軟性とは、状況に応じて思考や行動を調整する能力のことです。難しい問題に直面し、その解決方法を模索する過程で、異なる視点から物事を考える力が鍛えられ、適応力が向上します。
 

 負荷をかけた学習が成功すると、脳は「報酬系」と呼ばれる神経系を通じてドーパミンを分泌します。ドーパミンは、快感や達成感を感じさせる物質で、学習や挑戦が成功した際に多く分泌され、さらなる挑戦へのモチベーションを高める効果があります。
 

 効果的な学習とは必ずしも負荷の多い学習ではなく、脳に適度な負荷をかけることによって、記憶力の向上、問題解決能力の向上、柔軟性のある思考など、多くの面で脳の成長を促します。「負荷」は適度のストレスやプレッシャーで、脳にとって成長を促す適切な挑戦として捉えることになります。

 

 こうした内容を内包しているのが幼児教育の指導法です。その中に、よく聞く「フラッシュカード」があります。「石川メソッド」では、このフラッシュカードの種類ごとに、分析された学習効果を含ませ、構成された指導が展開されます。まず、この学習は、リズム・テンポが良く、子どもの集中力を持続させることができます。それは、幼児対象の指導ですでに行われていることからも理解できることです。

 

 リズムとテンポ、一定の速さ、秒単位で切り替わる対象、復唱形式で行われるので、「聴いていれば、見ていれば答えられる」という空間づくりから、授業の原理原則が養われます。繰り返しのカード学習は、構えて行う授業とは違い、声を出すという、積極的な授業参加ができ、カード指導で行われる、様々な気付き、単純な質問に直ぐ答えることで養える、脳の学習反射など、この授業でそれまで蓄積されていない基礎知識を楽しく吸収していきます。

 

 知識獲得で知りえた情報は、本来獲得できていたはずの語彙数であり、学習の際、その思考に必要な語彙となります。同時に脳の反応が著しく改善されることで、学習に対し前向きに取り組むことができるようになります。これは、ほんの一例ですが、学力不振に悩む子どもたちに、幼児教育の指導法がこれまで効果が上がるとは、多くの方は考えられないと思います。でも、これは、幼児教育という、基礎教育を指導する学習法なのですから当然の結果なのでしょう。

 

 もちろん、この学習法、さらに学力向上を目指す子どもにとっても効果的です。無理なく、記憶力が向上することから、暗記とは違う新しい記憶力向上の学習として注目されています。

 

 

 

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初めに言葉ありき!

■言葉の役割 本を読めない子の増加が!

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 「小1の壁」がかなり現実的な課題になりつつあります。親は、子育ての時間確保のため、仕事のシフトを変更せざるを得ない状況になったり、子どもの預け先を探し求めるなど、来年、お子さんが小学1年になられるご家庭は、今から頭を抱えています。こうしたところに少子化の原因の一つが隠されているのでしょう。

 

 「小1の壁」から、考えられることがあります。今は、「早朝クラブ」という、放課後だけでなく、通勤時間帯に子どもを託すことができる学童があります。ただ、まだ試験的な運用もあり、その数は限られています。そして、放課後も、「放課後クラブ」として、子どもを託すことになります。すると、朝7時から、夕方7時、もしくは8時ころまでと考えると、親と接する時間は、13時間が学校と学童、10時間が必要睡眠時間にとられてしまうので、単純計算で1時間となってしまいます。親としては、我が子に対し心苦しい状態になってしまいます。お子さんと密な時間を過ごすこと、それがとても大切になりますね!

 

 子どもの成長期に、親は、社会的責任も背負っているので、我が子と向き合う時間はとても貴重です。そのため、子どもを預から側の責任も重大です。学校や学童での過ごし方、特に学習指導、生活指導、社会的指導はとても重要になってきます。そのため、並行して、親御さんには、幼児期の言葉がけ、絵本などの読み聞かせ、会話などを通じ、「親の声」をしっかりお子さんに届けて頂きたいと思います。

 

 「親の声」は、子どもに語感を感じさせ、言葉の大切さを伝えてくれます。お母さんの笑顔と優しい声、丁寧な言葉がそのまま子どもの心を形成していきます。時に、お父さんの力強い声、頼もしい声は、子どもの心に安心感を伝えていきます。幼児期は、とても重要な時期で、言葉の臨界期でもあります。一つの言葉は、まるで繁茂する枝や根のように拡がりを見せていきます。

 

 言葉の数、語彙数の獲得は、語彙と思考力、語彙と想像力、語彙と表現力、語彙とコミュニケーション能力、そして、語彙と知性という、人の知的能力を代表する様々な関係を形成していきます。「語彙は知性に比例する」この言葉が示すように、蓄積された語彙はその後の、子どもの学力に大きく影響してきます。

 

 最近では、語彙数と読字率の関係から、読書量の低下は、本を読まないのではなく、本を「読めない」ということが原因であることが分かってきました。それだけ、子どもの活字離れと共に、学習の形態変化も教育界の大きな課題の一つになりそうです。

 

 子どもを預ける学童の存在は今後益々重要になる反面、その指導内容に注目しなければなりません。預かるという概念ではなく、子どもの成長を後押しする場でなければなりません。遊び・運動・食育・学習・躾など、子育てにおける総合的指導が求められます。責任重大です!

 

 今日も、「水曜日、6時間研修」の日です。お父さん、お母さんが安心して社会で活躍できるよう、大切なお子さんを預かる我々は、ご両親に代わり、多くの子どもたちに、多くの素敵な言葉を心に届けなければなりません。今日は、五十音表についての研修が組まれています。言葉を大切に扱う、その想いは指導する先生が、言葉を大切に扱うことから始まります。たかが五十音表ですが、されど五十音表で、なんと7種類もの五十音表が登場します。これだけで「エッ」と驚かれます。

 

 今まで何度もお伝えしてきましたが、小学1年生で、既に成績上位の子どもと、成績下位の子どもでは5,000語の差が生じています。小学1年生で使用する辞書では1万数千語あれば十分とされる中、この5,000語の差はとても大きく、6年生になると、その差はさらに開き、30,000語近く開いてしまいます。子どもの学習は、「初めに言葉ありき」で、今後、益々、学童を代表とする民間の教育機関のレベル向上は必須の課題です。