「力」が付く集中
■意識的関り、無意識的関り!
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今朝、4時少し前、地震で起こされてしまいました。京都でオーロラが観察されたことを聴いていたので、巨大地震か?と身構えてしまいましたが、警報が鳴らなかったので大丈夫かと思い、また、夢の中へ。
今日は、子育ての中でも気になる子どもの「集中」と「夢中」についてお話をしたいと思います。願わくば、遊びにも、学習にも夢中になってほしいと思っています。子育て相談の中で、「うちの子は集中力がなくて…」と嘆き、「でも〇〇には夢中で取り組むんです。」と、どこか安心して話される親御さんが多数いらっしゃいま。改めて、「集中」と「夢中」について考えてみたいと思います。
「集中すること」と「夢中になること」の違いは、脳科学的に見ると、主に脳の活動状態や感情の関与に関連しています。どちらも高い注意力が必要ですが、次のような点で異なります。
集中とは、特定のタスクや目標に向かって、意識的に注意を向ける状態を指します。これは意図的な行為であり、脳の前頭前野(自己制御や計画立案を担当する部分)が主に関与します。そして、集中には以下の特徴があります。
- 目的意識:特定のタスクを完了するために注意を制御している。
- 努力が必要:集中力を維持するためにはエネルギーが必要で、疲労を感じることがある。非認知能力・忍耐力・体力
- 外的な注意喚起:外部からの刺激や中断に対して脳が対抗する必要がある。
- 語彙数:集中に必要な思考力、想像力の源である一定数の語彙数が必要。
脳科学的には、ワーキングメモリ(作業記憶)や、タスクに関連する神経回路が活性化されます。この過程で、ドーパミンやノルアドレナリンが分泌され、集中力を高めますが、これは持続的に保つのが難しく、長時間行うと疲労感が伴います。
一方、夢中になる状態は、完全にその活動に没頭してしまう状態で、心理学的には「フロー状態」とも呼ばれます。夢中になると、時間の経過を忘れ、自動的に作業が続けられる感覚になります。これも脳の前頭前野が関与しますが、興味深いのは以下の点です。
- 自己意識の低下:フロー状態に入ると、自己の存在や時間感覚が薄れ、作業に完全に没頭します。
- 楽しい感覚:興味や好奇心に基づいた行動であるため、ストレスや疲労感が少なく、むしろリラックスした状態で集中が持続します。
- 脳の快楽系:この状態では、脳の報酬系(主にドーパミンの分泌)が活性化され、楽しさや満足感が感じられます。
フロー状態では、前頭前野が高度に活性化しつつも、過剰な自己意識や緊張が抑えられ、作業が「自然に流れる」ような感覚が生まれます。注意力や認知能力も高まりますが、努力感は感じにくく、非常に持続可能な状態です。
「集中」と「夢中」の脳科学的違いは以下の通りです。
- 集中:意識的で努力が必要な状態。脳の前頭前野が強く活性化し、ワーキングメモリや自己制御が重要。持続すると疲労が蓄積する。
- 夢中:フロー状態で、楽しさを伴い、自然と行動が続く。前頭前野や報酬系が活性化し、自己意識が薄れ、疲労感が少ない。