まだまだ書きたい事が、

あれこれとあつたのだが、

津軽の生きてゐる雰囲気は、

以上でだいたい語り尽したやうにも思はれる。

私は虚飾を行はなかつた。

読者をだましはしなかつた。

さらば読者よ、命あらばまた他日。

元気で行かう。

絶望するな。

では、失敬。



太宰治「津軽」より