メジャーリーグサッカー ”MLS” | 週刊現代フットボール

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MLSとは ” Major League Soccer ” の略でアメリカ合衆国およびカナダのプロサッカーリーグの事である。


アメリカで代表的なスポーツはNFL(アメフト)、MLB(野球)、NBA(バスケット)、NHL(アイスホッケー)の4つで、これらの頂点に立つプロリーグは俗に "北米4大プロスポーツリーグ" と称されれている。


MLSがここ数年人気を誇ってきた理由を辿ると少しさかのぼることになる。1967年から1984年まで存在した北米サッカーリーグ(NASL)で、ペレ、ヨハン・クライフ、フランツ・ベッケンバウアーといった当時の主力選手を擁して人気獲得を図ったが、球団間の実力や財政力の不均衡などの理由でNASLは解体した。


しかし1994年のFIFAワールドカップ開催国がアメリカに決定したことを起爆剤に再度、プロサッカーリーグを開催する機運が発生し、1996年に10クラブによるメジャーリーグサッカーが発足した。これがMLSの始まりである。


MLSに大きな転機が訪れたのは今から約8年前の2007年。当時、銀河系軍団と呼ばれたレアル・マドリードからデイビッド・ベッカムが(特別指定選手制度)でロサンゼルス・ギャラクシーに移籍してきた。ベッカムは5年契約で総収入額は2億5000万$ (約300億円)に達すると言われた。







特別指定選手制度(Designated Players Rule)とは2007年に採用されたサラリーキャップに関する規定で、第1号にベッカムが認定された為、(the Beckham Rule)とも呼ばれる。


MLSの各選手にはサラリーキャップ(年俸総額の上限制度)が導入されているが、各クラブが選手のサラリーキャップの範囲外で最大2人まで獲得することを認めたのがこの制度である。この制度によってティエリ・アンリやラファエル・マルケスなどスター選手がMLSに進出するようになった。







2002年、自前のサッカー専門のマーケティング会社、サッカーユナイテッドマーケティング社を設立し、アディダス社との総額1.2億$など大型契約を締結するなど、近年著しくビジネスの側面が急速に発達している。富豪のオーナーによってインフラ整備は進み、各クラブ自前のスタジアムを保有する事で経営の安定と成長を図っている。







2015年からMLSに新たに参加することが決定したオーランド・シティとニューヨーク・シティ。この両クラブも既にヨーロッパで活躍したスーパースターを手中に収めている。









ACミラン、レアル・マドリードなどで活躍した2007年のバロンドーラーであるカカがオーランド・シティへ。元スペイン代表のスーパーストライカーであるビジャ、英国のレジェンドのランパードはニューヨーク・シティへ加入した。


ベッカムがアメリカへやってきた2007年以降、ヨーロッパで活躍したスター選手がアメリカでプレーすることを望み、MLSチャレンジを決行している。


フレデリック・ユングベリ
(シアトル・サウンダーズ)



アレッサンドロ・ネスタ
(モントリオール・インパクト)



ロビー・キーン
(LAギャラクシー)



マルコ・ディ・ヴァイオ
(モントリオール・インパクト)



アルネ・フリードリヒ
(シカゴ・ファイアー)



ティム・ケーヒル
(NYレッドブルズ)



ジュニーニョ・ベルナンプカーノ
(NYレッドブルズ)



ジュリオ・セザル
(トロントFC)



ジャーメイン・デフォー
(トロントFC)



セバスティアン・ジョヴィンコ
(トロントFC / 2015年から)



スティーブン・ジェラード
(LAギャラクシー / 2015年から)



ラウール・ゴンザレス
(ニューヨーク・コスモス / 2015年から)




スーパースターたちがMLSへ次々と加入してきており、ヨーロッパのビッグクラブがシーズンオフにアメリカへ渡ってMLSのチームと試合をするツアーも近年は多く組まれ、記録的な観客数を集めていることから、MLSは今後も人気が上昇し、成長していくことは間違いない。