理系では2次試験で 一題出題される古文
夏休み後に 一度は 文法の定着状態を確認しておきたいところ。

ーーー現代語訳せよーーー

5 忠盛、備前の守たりしとき  平家物語

たり
☆助動詞の公式 になかったので 補足説明しておきます。
「たり、り」助動詞は 活用はラ変型で、動詞のラ変活用「ら・り・り・る・れ・れ」と同じです。意味は 存続(・・・している)、完了(・・・してしまった)。ただし、存続の意味で訳して違和感が有れば、完了の意味で訳すように。ここでは、直前に 体言 がついているので 断定の意味の 「で」というのが正解です。同じ平家物語には 接続が体言のタリは よく出てくる(例 平家の家人たりし者あり。意味は 平家の家来であった者もいる。) 中世以降の和漢混淆文(わかんこんこうぶん)によく見られる特徴です。

し=助動詞・過去「き」連体形   @2でも出てきた

5 現代語訳
(しかるを)忠盛、備前の守たりしとき
(さて、)忠盛が備前守であったとき


6 そのこと果てなば、とく帰るべし。   徒然草

果て=タ行下二段動詞「果つ」の連用形
な =助動詞・完了「ぬ」の未然形

ば =接続助詞・未然形+ば…順接仮定条件、訳 (もし)〜としたら/〜ならば
とく(疾く)=ク活用の形容詞「疾し」の連用形、直後に用言(動詞:帰る)が来ているため連用形(用言に連なる形)となっています。

帰る=ラ行四段活用の動詞「帰る」の終止形

べし
助動詞「べし」の文法的意味には、次の6種類があります。
【推量】 [訳し方]〜だろう・〜ようだ
【意志】 [訳し方]〜う・〜よう・〜つもりだ
【可能】 [訳し方]〜できる
【当然・義務】 [訳し方]〜はずだ・〜なければならない
【命令】 [訳し方]〜せよ
【適当・勧誘】 [訳し方]〜のがよい・〜よう
数が多いので、す(推量)・い(意志)・か(可能)・と(当然・義務)・め(命令)・て(適当・勧誘)=「スイカ止めて」と覚えるとよいでしょう。
べし の 見分け方は以下です。
1人称主語→意志
2人称主語→適当、命令
3人称主語→推量
打消しを伴う→可能
後ろに名詞→当然

ここでは、誰かに言われている感じなので 2人称の 「のがよい」 でしょう。

6 現代語訳
その用件が終わったならば、早く帰るのがよい。



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