以前に捕盗庁の従事官のイ・ジョンミョンに窮地を救われたイェジンでしたが、また災難に遭うことになります。

 ある夜、ジョンミョンが参加する酒席にイェジンが酌婦として駆り出されることになりました。医女は、医官の補助をするだけではなく、このように妓生(キーセン)の代わりをすることもあったのです。このような場合、薬房妓生(ヤクバンキーセン)と呼ばれていました。

 この薬房妓生は「チャングム」でも話題になっていましたね。チャングムが医女の修練の際に、指導官に薬房妓生として駆り出されそうになったときに、それを無視して正規の授業に出席したために、落第させられたエピソードは皆さん覚えていますか?

 ある高官からお酌を求められたイェジンですが、どうしてもそれに応じることができずにその場が気まずい雰囲気になってしまったところ、同席していたジョンミョンに助けられたのでした。

 その後ジョンミョンにイェジンは愛の告白を受けるのです。しかし、皆さんお分かりのとおりその気持ちに応えることはできません。

 その頃、恵民署の湯薬房で下吏(下級の役人)の首吊り死体が見つかります。事件の際当直だったホジュンは典医監(チョニガム:薬と医学教育を担当する役所)の役人であるホ・ソクと出会うことになります。

 しかし、このソクこそホジュンの腹違いの兄だったのです。

 さて、医女のなったイェジンにまたも不幸が襲い掛かりましたが、ジョンミョンのおかげで切り抜けることができました。どんなに他の男性から思われても、イェジンのホジュンに対する気持ちは変わらないのでした。

 そして、ホジュンにも大きな難題が降りかかりました。よりによって自分が当直の時に恵民署の中で首つり自殺事件など、運が悪いとしか言えません。

 そのうえ、生き別れになっていた自分の兄とこんな形で再会するなんて、まさに泣き面に蜂の出来事です。

 ソクは、ホジュンが父の助けを借りて逃走してしまったことにより、ものすごく苦労をさせられてしまいました。実の母も同様です。母は苦しみながら亡くなってしまったということで、ホジュンはソクから強く憎まれているわけです。

 ユ・ドジとその母オ氏だけでなく、母親が違うとはいえ、自分の血がつながっている兄からも強い憎しみを受けながら、この先生活しなければならないのです。しかも、ソクはホジュンの過去の犯罪歴を知っているわけですから、そんなことをばらされたら身の破滅です。

 このホジュンの兄、ホ・ソクですが1999年版のホジュンでは幼少期にほんの少しだけその存在に触れられるだけで終わっていた登場人物です。

 2013年版では、ホジュンの龍川(ヨンチョン)時代の描写がかなり長くなっていて、その中に兄のソクとその母(父の正妻)の関係もしっかりと描かれています。

 そして、2013年版では二人の成人後にこのような形で二人が再開してストーリーを展開していくという風に、話が変更されているのです。この違いは大きいので、両者を見比べた際には気を付けていただきたい点です。

 この首つり自殺事件は単純なものでなく、思わぬ方向に進んでいくのでした。次回をお楽しみに。