さて、薬草取りで散々な目に遭ったホジュンですが、医院にもどってもダヒとはすれ違ってしまうかと思われたのですが、そこへイェジンが助け舟を出します。ダヒが今、医院にいると教えてくれたのです。

 もうこの時点で二人の気持ちは固まってしまっています。その様子をみたホジュンの母は反対することをやめ、二人の結婚を認めることにします。

 ここで、ドジとイェジンとの関係に触れておかなければなりません。イェジンは、ウイテの友人である医者の娘で、友人が亡くなって身寄りがなくなったイェジンを養女として迎えたのですが、ドジはイェジンに恋心を抱いているのです。

 科挙に落第した際も、自暴自棄になりその苦しさからイェジンにすがろうとしましたが、その息子の姿を見て、ドジの母はおもしろくありません。ドジの母は、息子にはもっと良家の娘を嫁に迎えたいと思っていたからです。

 そして、先に述べたようにイェジンの気持ちはホジュンンに向いたままです。ドジとイェジンの関係はそうして、すれ違ったままストーリーは進んでいきます。

 ここで私が感じたことがあります。それは、身分違いの結婚についてです。現代では表面上は身分の違いはなくなりましたが、付き合うだけならともかく、いざ結婚となるとつり合いが問題になることは、昔と変わりはありません。

 両親の社会的階級、二人の職業や収入の差、家族構成、離婚歴のあるなし、年齢差等々で
バランスが取れていることが、理想の相手とされます。ただ、昔と大きく違うことは、身分違いの結婚をしても犯罪にはならないということです。

 現代の感覚すると、結婚することが犯罪になるなんて理解に苦しみますし、全然ピンときませんがこの時代の朝鮮ではそうだったのです。ですから、二人はこの先そのことを秘密にして暮らしていかなければならないのです。そして、このことが実際、ホジュンが医官になった後で問題になるのです。

 ここで、また新しい人物との出会いがあります。それは、薬草取りの際に山の中で出会った男、アン・グァンイクです。ある日ホジュンが山で見かけた、風変わりな男です。彼には深い医術についての知識がありました。

 この男を絡めたストーリーについては、次回以降で。お楽しみに。