最近のネット上の記事をみるにつけ、民主政権が独裁制化してしまうおそれについて、ヒトラーの例をあげつつ言及するものが目立つようになってきました。

 国民大多数の期待を背負ってヒーローのごとく登場し、合法的に選挙で指導者に選ばれた人物が、次々と独裁制に必要な法律改定、政治体制の改変を行うことを国民が気づかない間、あるいは自らへの信頼を悪用して実現してしまうと、このような恐ろしいことが起こってしまうということです。

 韓国では、従来の検察の独善的な強権力を抑えるという大義名分のもと、大統領やその与党がどんな無謀な政策を実行しても、あるいは極端な話犯罪をおかしても自分たちに追求が及ばないようにするための体制を作り上げようとして、それを阻止しようとする勢力とぶつかり合っている状態です。

 また、アメリカでは任期あと1週間に迫ったトランプ大統領が下院で2度も弾劾決議を受けるという前代未聞の事態が起きています。

 先週の大統領選挙の結果を正式に認定する議決の際に、連邦議会に向かって自らの支持者をデモ行進させたことが、議会を襲撃する暴力行為を招いたとして、その責任を問われているわけです。

 そのおかげで、トランプ氏お得意のツイッターのアカウントまで永久凍結されてしまうという、これまた前代未聞の出来事が起きてしまいました。

 ある記事によれば、トランプ大統領が戒厳令をしいて軍政を施行しようとしていたのかもしれないという、物騒な可能性を指摘するものもありました。こうなれば本当の独裁政権が、あろうことかアメリカ合衆国で誕生してしまうわけです。アメリカは、政界の警察として、そのような勢力を正すべく世界中に派兵してそれを正してきたにも関わらずです。

 私としては、自分が生きている間にこんな大きい歴史上の変革あるいは、事件を目の当たりにできることに驚いているというのが正直なところです。

 もちろん、(軍事)独裁政権など願い下げですが、アメリカはもしかしたらすれすれのところでとどまっているのかもしれません。トランプ大統領はあと1週間で任期切れですが、それまでの間に、またその支持者たちが中心となって暴力によって政権奪取を行おうとする恐れがあるとされています。

 韓国はもはや現在の文在寅政権は任期を1年以上残してレームダック化しているようですし、このまま何も意義あることができずに任期切れになって、自らが敷いた独裁化のレールを敵対勢力にそのまま利用されて自分たちが弾劾、抹殺されてしまう可能性が高まっています。

 今までの韓国政府のやってきたことを思うと、それみたことか、自業自得だという声も多数上がるでしょうが、そうやって国を分断して、李氏朝鮮時代のような勢力争いを永遠に続けていくのかと思うと何だかむなしい気持ちになってしまいます。

 そして、今注目すべきはアメリカです。あと1週間のうちに何が起こるのか目を離せない状態です。どうか、これ以上暴力によって国民の血が流れないようにしてほしいものです。

 来週の大統領就任式はきっと世界中の注目を集めることでしょう。