目の前には、わたしが憧れを抱く先輩がいて、わたし達は見つめ合ったまましばしの沈黙をつらぬいていた。
先の展開を期待する胸の高鳴りと、反対に違っていた場合の消失感が合わさり合い、緊張感を生む。それは永遠にも思えて、早く解放されたい衝動にかられたわたしを先輩は察したのか、公園の噴水が吹き出すのと、同時にそれは発せられた。
「君の事が好きだ! 愛してる!」
信じていた言葉が耳に入ってくる。
けれど、信じられないという想いもまた心の中にあった。
「ほ、本当に……?」
瞬きの回数が多くなっているのが自分でもわかる。
わたしの震えた声を、笑いながら受け止めた先輩は次に力強く抱きしめてくれた。不安はたちまち、何かへと変わりいつまでも満たされていくような気がした。
それが甘い幻想なのだと、気づきたくはなかった。