はい、造り豆腐屋に向かう途中に、これも田舎町の個人の精肉店なのか、とある一軒の小さな肉屋さんがある。
その肉屋さんの前を私がチャリで通過したとき、店の奥さんとおぼしき雰囲気の割烹着姿の女性が揚げ物の仕込みに入ったのを目ざとい私は見逃さなかった。
時間は午後2時半くらいだから、肉屋さんが一般的に揚げ物にかかるタイミングにしては随分早いなぁ~という印象なきにしもあらずですが。
フツーはざっくりと夕方から、ですよね揚げ物は。具体的に何時頃からと敢えて云いませんけども夕方。
で、なんだかんだで造り豆腐屋で買い物を終えたりして、小一時間ほどチャリでぶらぶらしてからさっきの肉屋さんの前を再び通ると、なんかもう揚げ物は終わりました的な空気感が漂っています。
えっ!?と思って時間を確認すると午後3時半を少し回ったところ。
で、店の前にチャリを停めて慌てて揚げ物の注文は可能ですかと訊くと、揚げ物はもう終わりましたというではないか。えーっ⁉そんなのあり?
いやいや、フツーの肉屋さんなら揚げ物はこれから始まる時間じゃないの⁉
3時半でもう終わりって、そんな殺生なというか、そんな肉屋さん初めて見た!
で、ガラスのショーケースを見るとトンカツが一枚、ハムカツが一枚、この2つが僅かに残っているだけだった。
なので、その2つを黙ってお買い上げ。
「うちは3時くらいまでに注文があれば対応しますから」みたいな説明を、先ほどの割烹着姿の女性ではなく、店の奥から現れた恰幅のいい、しかし少し無愛想な旦那さんから問わず語りで聞いた。
ふーん。
とはいうものの、これはさすがにこの店ならではの俺様ルールなんだろうなと、そんな風に私は肌で感じた。
3時半で揚げ物が終わる肉屋なんて私は見たことも聞いたこともない。
てか、今まさに見てるワケですが。
そしてショーケースに残ったトンカツとハムカツの2つを、客の私のいる目の前で手づかみで包み紙に乗せた旦那さん。
なんか凄く好いなあ~というか、ちょっとヤダなぁ~というか、なかなかやろうとしてもできないワイルドさというか、いい意味で憎めないがさつさというか、ヤクザな手さばきだ。
うーん、ヤクザ(893)な肉屋さんだな。
画像はその買ってきたハムカツ。
私が葛西でよく食べていた肉屋のそれと比べると、かなり肉厚。
葛西のはハムが2ミリ以下みたいなペラッペラの極薄ハムカツだったが、こっちのハムカツは倍は厚みがありそうだ。
しかし、ペラッペラのハムカツはそれはそれでジャンクさが楽しかったけれど、田舎町の住民には葛西のペラッペラのは逆立ちしても理解できないだろう。
まあ、フツーな肉屋さんのハムカツで、これはこれで美味しくいただきました。
と、相変わらずウダウダと話が長い!