先日、水色革命トップのMARU氏と、前回の舞台で共演した森川翔太氏と三人で飲みに行った。


役者が三人もそろえば、

芝居の技術の話や、

この先の自分達の課題の話なんかを延々と…



するはずもなく、

ほとんどが恋愛話に華が咲きまくるという、


女子会のような内容で盛り上がった。



隣の席に若くてかわいらしい女子大生の三人組がいたのだが、

確実に我々のほうが乙女チックなトーク内容だった。


本当の乙女たちより、

人妻とデブとティッシュ配りのほうが乙女だという、

なんともおかしな感じ。



何気なく入った店ではあったものの、その日その店は偶然

『ドリンク全品半額デー』

だったこともあって、僕はアホほど酒をくらってやった。



普段は飲みに行ってもあまり尿意とは縁がない僕だが、

さすがにこの日は7杯くらい飲み終わったあたりから尿意のほうから大手を振ってやってきた。



多少よろけながらもトイレにたどり着き、

ドアを開ける。


一人先客がいたのだが、その人はすでに用もたしていたようで、

鏡の前で携帯のチェックをしていた。



僕は小便器の前で腰を落とし、

ジョボジョボジョボジョボと水分を放出していく。



すると、

その、

先客が、


あきらかに僕のほうをチラチラと見てるんですよ。


自分の携帯を見ながら、

その目線は何回も僕と携帯の間を行き来する。



(うわ…こえぇー…)



その不可思議な雰囲気にビクビクしながら、

すっかり用をたし終えていたものの、

そのまま手を洗いに行けばその先客とガッツリ顔を合わせることになってしまうため、


僕は、

その先客がトイレから出ていくまで小便器の前を離れずにいた。



…すると、

その先客は携帯と僕の間を行き来させていた目線を止め、


じーっと僕のほうだけを見つめている。


その目は、

なんだか今にも泣き出しそうな哀愁に満ちており、

まるで



「愛にっ!

気づいてくだっさぁい!」



と訴えているようにも見えた。



…さらに、


その先客は、

小便器の前から動かないぼくのもとへと


ススス…


ススス…


と歩み寄ってきた。


ただでさえ大したことないサイズの僕のペニ〇リンがさらに縮こまる。





「…あ…あの…!」



先客が、

僕に声をかけてきた…!




『……はい。』




この上なくビビって返事をした僕に、

先客は、


目をうるうるさせながらこう言ってきた。




「あの…


お恥ずかしいんですが…


ちょっとおたずねしてもよろしいですか…?」




…僕が



『は、はぁ…。』



と力なく聞き返すと、


先客は、


持っていた携帯の画面を僕に見せながら、

照れくさそうにニヤニヤした表情で、



こう、


言った。






「あ、あの…





【21時】って、





何時のことでしたっけ?」





………え?





『…く…9時です…。

夜の…。』



僕がそうおしえると、

先客は驚いたような表情を見せ、

僕に会釈をしてトイレから出ていった。




ちなみに、そのメール画面には誰かから届いた文章がつづられており、





【21時にはアルタ前につくので、

アルタ前で待ち合わせましょう。

店の場所をおしえてもらってもいいのですが、

携帯の電池がほとんどないのでネットが見れなくなると思うので。】





と書いてあった。



たぶん先客は、

【21時】とは、

【夜の11時】のことだと勘違いしていたのだと思う。



先客と僕がトイレで会ったのが、



22時半。



僕が手を洗ってトイレから出ると、

先客がものすごいいきおいで会計をしにレジに走っていくのが見えた。





完全にハットの前後が逆だった。





では、股。








【天晴一之丞出演舞台のお知らせ】


茜PRESENTS vol.4


『ちょいと理由(わけ)あり』


※あらすじ

大衆演劇の楽屋内で繰り広げられる女達のウラ事情。
それに加えて絡んでいく男達。

楽屋を舞台に所狭しと暴れまわる極上のエンターテイメントここにあり!

更にレビューショーのおまけつき!

大衆演劇を知ってる人も知らない人も、来なければあなたは絶対後悔する!!



※脚本・演出

佐々岡美幸


※出演

高野花子(下町かぶき組)
茜小雪(下町かぶき組)
千葉真理子

永野和宏(劇団新人会)
亀田恭吾(劇団ばんぶるびい)
天晴一之丞(水色革命)


※日時

プレ公演
10月5日(金) 19時30分~

本公演
10月6日(土) 13時~・18時~
10月7日(日) 12時~・17時~


※会場

戸野廣浩司記念劇場

JR山手線 西日暮里駅から徒歩7分

http://iandifactory.com/iandi/tonohiro/goannai.html


※チケット

プレ公演 2000円☆
本公演 3000円

当日券 3500円


☆のプレ公演は「公開ゲネプロ」になります。

着替えや化粧替えの多い舞台ですので、進行がスムーズにいかない可能性がございます。

都合のつくかたはぜひ本公演におこしください。