護衛艦「さわゆき」火災 放火で海士長を逮捕 警務隊 | ★ゴルァⅣ★

護衛艦「さわゆき」火災 放火で海士長を逮捕 警務隊

青森県尻屋崎沖の太平洋を航行中の護衛艦「さわゆき」(艦長・米丸祥一2等海佐)の艦内で6日未明に起きた火災で、海上自衛隊の警務隊は10日、放火による建造物損壊で、乗組員の海士長、木村一大容疑者(21)を逮捕した。

 「さわゆき」は神奈川県・横須賀基地から出航。青森県・大湊基地にむかっていた6日午前3時半ごろ、錨(いかり)を巻き上げる機械が設置されている艦前部の揚錨(ようびょう)機室から出火した。けが人はなく航行にも支障はなかった。

 警務隊の調べによると、火が出た部屋には全く火の気がなかった。乗組員の事情聴取から出火時に不審な行動を取っていた木村容疑者が浮上。事情聴取したところ、「ライターで布に火をつけた」と容疑を認めたため逮捕した。同隊で動機を追及している。

 「さわゆき」の火災をめぐっては、取材に向かった青森朝日放送のヘリコプターが墜落、1人の死亡が確認されたが、3人が行方不明となっている。


◇海自の艦艇火災、07年末から3件

 海上自衛隊の艦艇で、昨年末から3件の火災が相次いでいる。防衛省幹部は「省の抜本的改革を進めているのに、あまりにも不祥事が多すぎる」と話す。

 昨年12月に停泊中の護衛艦「しらね」で、今年5月には南米カリブ海を航行中の練習艦「かしま」で火災が発生した。放火事件は02年1~5月に3回、護衛艦「うみぎり」で雑誌や毛布などが焼ける事件が起きている。この事件では鋼鉄製の護衛艦内では燃え広がらなかったため放火容疑は適用されず、威力業務妨害容疑で逮捕された1等海尉(当時)らも嫌疑不十分で不起訴になっている。