TSUTAYAのDVD旧作100円セールにこぎつけて色々借りてみようと店内をうろうろしていたら、
「ゆきゆきて、神軍」のパッケージが横置き(背表紙じゃなくて表紙が見える状態)で置いてあった。
何年か前に連合赤軍に興味を持って関連物をちょこちょこと読んだり見たりしていた時に「奥崎謙三」という人の名前を知ったが、その時に至るまで特に興味は持っていなかった。
他に借りるものもないし、見てみることにした。

奥崎謙三という人の略歴を簡単に書くと、ニューギニアに戦争に行って帰って、
昭和天皇にパチンコを撃ち、田中角栄を殺すと掲示した車に乗り、戦時中の元上官の息子をピストルで撃って逮捕された人です。
天皇ポルノビラという、まあ今でいうコラージュ写真を皇室の人の顔で作ってバラまいたりもしています。

何の説明もなく映像が始まり、板金屋のシャッターを開ける奥崎が映し出される。
兵庫県警の警備課長に「東京へ行く」と告げる。
奥崎は完全に危険人物なので、警察のマークなくしてはどこにも行けないのです。
「人類を啓蒙するために田中角栄を殺す」みたいなブッ飛んだ事が書いてある車で東京に着いた奥崎が街頭演説をする。

「裕仁のために死んでいった兵士の霊を慰めるべく演説をします。警察の方は法律に基づいてこの車を爆破するなり、勝手にしてください」

みたいな事を警察に取り囲まれてる中で言う。

その後、奥崎は戦時中に所属していた独立工兵第36連隊の同僚の遺族を訪ね歩く。
その中、戦病死とされていた二人の兵士の遺族を連れ、死の真相を暴くべく、
当時の上官を始め、衛生兵、軍医などにインタビューをする。

関係者に事情を聞いていった結果、奥崎と遺族は一つの結論に至る。
「病死とされた二人は、人肉食のために殺され、食われた」

そして奥崎は当時の上官である古清水の元へ赴き、なぜか古清水の息子を撃って逃亡、逮捕された。

DVDだけ見ると「ああ、奥崎という人は戦争を本当に憎んで、権力に刃向かい、不条理を糺そうとしたのだな」
という印象を受ける。もちろんそれも一つの要素ではあると思う。
けど、その他の文献や資料を見ると、どうやら奥崎はある意味宗教的な思想を持っていたらしい。
自分が理想とする社会を作ろうと、カリスマ的存在になろうとしていたようなフシが見受けられる。
そして、その目的は、
「もっと俺を尊敬しろ」
「もっと俺を大事にしろ」
「もっと俺を気持ちよくさせろ」
といった、極めて自己中心的で身勝手な欲望にまみれたものだった。

あるいは、時間を経て変わっていったのだろうか。
自分のしている反社会的な、反体制的な行動が、奥崎自身を酔わせていったんじゃないか、とも思う。

その後公開された「神様の愛い奴」では完全にイカれた奥崎が見られるとの事です。

でもなんでだろう、その後の奥崎の所業を見ても、天皇をパチンコで撃った時に奥崎が発した言葉、
「ヤマザキ、天皇をピストルで撃て!」という言葉に、その気持ちに嘘はないような気がします。

そうだ、これ見てるときに「誰かこういう人がいたような気がする」というモヤモヤがあったのですが、
この人でした。
$Nanou 2